ビジネス系ユーチューバーが指南 説明上手になるには
三省堂書店有楽町店
ビジネス書・今週の平台ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れている準定点観測書店の三省堂書店有楽町店だ。コロナ禍以降、週末の土曜日に来店客が集中する傾向が強まった。訪れた土曜日も夕方まではレジに列ができる盛況ぶり。それでもビジネス書の売り上げはコロナ前の水準までは戻っていない。そんな中、書店員が注目するのは説明上手な人がやっているコツを集めたビジネス系ユーチューバーによるスキル本だった。
本業は外資系金融機関のビジネスパーソン
その本はハック大学 ぺそ『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)。著者のぺそ氏はユーチューブチャンネル「ハック大学」で仕事術やキャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信している兼業のビジネス系ユーチューバー。本業は外資系金融機関に勤める30代のビジネスパーソンだと本書の略歴は伝える。
「もともと説明するのが大の苦手」だった著者は就活やその後の仕事を通じて説明するという行為の基本の考え方、さらにテクニックを学習と実践、改善のループを回しながら身に付け、仕事に生かしていったという。「私自身が試して確実に『使える』とわかったテクニックだけを集めて」1冊にまとめたのが本書だ。
紹介するテクニックは全部で31。いずれも見開きでダメな説明といい説明を○×で例示したページで始まり、4ページで簡潔に解説する。見開きの言い回しで×の方に自分で思い当たる言い回しがあったら、その1節を読むのが手っ取り早い。「結局、何が言いたいの?」と言われなくなる方法、「話がだらだら長い」と言われてしまう人のためのメソッドなど5つの章に分けて個別のテクニックを並べており、章のタイトルが気になるようなら、その章を読むという読み方もありだ。

ビジネス書売り場のある2階のメインの平台に4列に積んで展示する(三省堂書店有楽町店)