転職で後悔するか否か 失敗5つと成功3つのパターン
ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行
次世代リーダーの転職学転職後に後悔しない人が実践していること
上記のような失敗を回避して、転職経験が豊富にあるわけでもないのに、納得感の高い転職を実現している人たちはどこが違うのでしょうか。転職で後悔しない人たちの共通点を3つ紹介しておきたいと思います。
(1)転職の目的を徹底的に考えている
最初に押さえておきたい共通点は、転職の理由と目的を明確にして、本当に転職すべきかどうかを考え尽くしているということです。「この仕事を辞めたい」とか「転職をしたい」と漠然とした気持ちで転職を決断してしまうと、退職することに力点があったり、環境を変えたいという気持ちだけが先走ったりして判断してしまい、後悔を招きやすくなります。不満を裏返したら、満足が手に入るわけではないということを理解しておきましょう。
(2)意思決定の軸を決める
次に、重要な要素は、転職について意思決定をする際の軸が決まっていることです。仕事内容、報酬、勤務地、社風、業種、経営者の人物タイプ、組織の状態、職場環境――。転職先を選ぶ際にはこれら多くの変数が交錯し、すべての条件がきれいに整うことはありません。それらのうち、自分は何を重視するのか、これだけは譲れないという軸を絞り込めていると、後悔する確率は大きく低下します。条件の取捨選択や重みづけが十分にできていることが大切なポイントです。
もし転職の軸を決めずに転職活動を行った場合、前職の不満が解消されない企業へ就職してしまうことも少なくありません。特に、なかなか理想の転職先を見つけられず、焦ってしまったときに誤った選択をしてしまう可能性が高まりますので、しっかりと軸を決めておきましょう。
(3)情報収集を十分に行う
最後が情報収集です。応募を検討している企業やその業界全体の知識を深めることはとても重要です。大ざっぱなイメージだけで選考に行き、その企業が言っていることだけを真に受けてしまうと、後から「不都合な真実」が見えてくるということもあり得ます。転職サイトの求人情報だけでなく、企業のホームページや口コミサイト、同じ業界の友人・知人などから幅広く情報を集めるようにしましょう。また、その企業についてだけではなく、業界研究、特にその業界の未来予測も十分にしておくことをお勧めします。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行