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コロナ禍でDX化の流れが一気に

モノづくり大国ニッポン。技術者や営業などの専門職がビジネスをけん引してきたが、この四半世紀は成長が大きく鈍っている。デジタル技術で欧米に大きく出遅れ、イノベーション(技術革新)の波からも取り残されている。しかし、新型コロナウイルス禍で従来の働き方も行き詰まり、DX化の流れが一気に来た。

「自分がやるべきことはこれだ」と後藤さんは気づいたという。リスキリングとは単純にビジネスを学び直すことではない。デジタル技術などを学び、スキルとして身につけ、ビジネスモデルの変革を担えるDX人材になるなど、新たなキャリアを作り上げることなのだ。「リスキリングを普及させるのはHR一筋やIT一筋の専門家では無理。少なくとも両分野の知識や経験が不可欠だ」と語る。

後藤さんの場合、HR×IT、さらにグローバルや金融、そして起業など多様な経験がある。21年4月にジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立、米マイクロソフトやベネッセホールディングスなどの協力を得ながら、リスキリングの普及促進にあたっている。ビジネス向けSNS(交流サイト)を展開する米リンクトインの日本代表の村上臣さんは「今は多様なキャリア人材が求められている。自分をタグ付けし、キャリアの掛け算を行い、常に学び続けないといけない」と語る。

数多くの失敗や挫折を経験してきた後藤さん。HR×ITで自らもリスキリングして新たなキャリアを拓(ひら)いた。かつての日本企業のエリート人材はゼネラリストで、21世紀に入ってスペシャリストがもてはやされた。しかし、今はデジタル技術などを学び直し、新たなキャリアを形成することが求められているようだ。

(代慶達也)

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