三井物産に「スケボー小僧」 SNSで学びのお助けマン
リスキリング戦略
東京・大手町の三井物産本社
自分のやる気もアップ、社内人脈も2倍に
――本業が忙しいのに、本来会社が主導するリスキリングを個人がボランティア的にやっているわけですね。
「いや、自分自身にとっても勉強やモチベーションアップになるし、社内の人脈づくりにもつながっています。自分の成功体験をバラ売りし、拡張器の役割を担っているわけです。僕は飲み会が好きなのですが、コロナで自粛ムードになりました。1年7カ月前に本社から米国に赴任しましたが、SNS投稿は飲み会のデジタル化にもつながるなと思っています。会社には16本部があり、通常なら一緒に仕事ができない社員ともSNS投稿やネットを通じて気軽につながれます。社内人脈が2倍になった感じですね」
――リスキリングの「お助けマン」として会社からも評価され、表彰もされたそうですね。
「スケボー小僧が社内で注目された背景には、真面目にふざけず、目の前の仕事にまい進するという日本企業の中で、役立つことを型にこだわらず今風のやり方で広めたことではないかと自己分析しています。なかなか本業以外のことを個人的に社内に向かって発信していく人がいない中で、社内向けSNSの投稿や動画配信といったデジタルツールを組み合わせて発信していったことに興味をもってもらえたのは、ありがたいですね」
――今後の目標は何ですか。
「シリコンバレーはAI系スタートアップの宝庫です。多くのことを学び、商社のバリューを活用して企業価値に貢献する活動をして、グローバルで活躍できるリーダーになりたいと考えています。チャンスがあれば起業にも挑戦したいですね」
(聞き手は代慶達也)