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10年前に気づいていた人は備えてきた

多くの人が望んだホワイト企業であったとしても、給与が安すぎては意味がありません。それでなくとも高齢化が進み、年金不安もあります。

しかし、優れたビジネスモデルの中で給与がその場その場で消費されるコストとして認識され、相場観の中で入れ替えられるようになっている状況では、経営者側に給与を増やす意識は高まりません。

私は今から10年前、2012年に出版した「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」(東洋経済新報社)でその事実について記し、だからこそ給与の仕組みをゲームルールとして知り、キャリアアップを目指そうと提言しました。そうして多くの読者や出版界の方々から、前向きな言葉をいただきました。

今後、さらにゆるブラックな企業や職場が増えてゆくかもしれない中で、そこから抜けだすためには、今後成長が期待される場所へシフトするか、今いる場所でチャレンジするしかありません。

成長を期待される場所へのシフトは、なにも転職だけを示してはいません。社内に成長が見込まれる部署があるのなら、そこへの異動を願いでることも有効です。

今いる場所でのチャレンジは、中期経営計画が示す財務的な目標、非財務的な目標を自部署に読み替えてそれを実践してゆくことでもあります。そのためには、マネジメント的な役割を目指すのも良い方法です。

「ゆるブラック」というキーワードがクローズアップされたこのタイミングで、自分のキャリアをあらためて考えてみることが重要ではないでしょうか。

 平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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