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エンジニアサイド、ビジネスサイドで分類してTOP5抽出

ここからは、業界別の動向を見ていこう。ITを作る側、すなわちエンジニアサイドの受講が中心の4業界(SIer・ソフトウエア開発、自動車・輸送用機器、輸送ロジスティック・倉庫、コンサルティング)と、ITを使う側、すなわちビジネスサイドの受講が中心の4業界(銀行・証券、広告・放送・新聞、不動産、総合商社)の2パターンに分けてTOP5を抽出した。(以下、表は年間のTOP5のみ記載)

SIer・ソフトウエア業界 やっぱり強いAWS関連講座

SIer・ソフトウエア業界では、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)関連の講座が1位と3位に入った。AWSはサーバーやストレージ、データベースなど200以上のサービスを提供している世界シェアトップのクラウドサービスで、日本でも多くの企業が導入している。そのため、数あるIT資格の中でも特にAWSは注目株で、エンジニアの中では大規模プロジェクトへの参画や、年収アップ、転職にも役立つとして取得希望者が急増している。

一方、4位にDXの基礎的な講座が入ったのは意外な気もするが、飯田さんは「自分たちが学ぶというより、顧客に対してDXを説明する際にどんな粒度や表現で話せばいいのかを知りたいというニーズを反映しているのではないか」と分析する。

また、エンジニア職に関してはこれまで「フロントエンド」「バックエンド」など分業化・専門化が進んできたが、最近はあらゆる領域をワンストップで担える「フルスタックエンジニア」を求める傾向が強まっている。そのため、自身の立ち位置を確認し、今後のリスキリングの方向性を見定める目的で、DXの全体像が把握できる基礎講座を受講する人が増えているという。

ソフト開発人材が求められる

自動車・輸送機器業界

自動車・輸送機器業界では、Python関連の講座の人気が上がっている。PythonはAI開発やWebアプリケーション開発、自動化による業務効率化までさまざまな分野で使われる汎用性の高いプログラミング言語。飯田さんによると、同業界内では、リモート環境下で製造プロセスの見直しや業務効率化のニーズが高まっている。また自動運転や電動化など「CASE」分野を強化していくために、自前でソフトウエアを開発できる人材がこれまで以上に求められるようになっている。そうしたことがPythonを学ぶ動機になっている模様だ。

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