変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

時期を見て旗艦となるキャンパスを東京に開校し、個人向けのサービスも展開していく計画です。個人で学んだ卒業生を優先的に採用する「企業パートナー」は米グーグルやマイクロソフトなど7000社を超えています。

シンガポール政府との協働を日本のモデルに

個人向けに関してポイントとなるのは政府との関係でしょう。モデルになるのはシンガポールです。シンガポール政府は14年から国を挙げて全国民のリスキリングに取り組みましたが、その際、GAも一緒になって、リスキリングしようとする個人に対し補助金を出す仕組みを整備しました。

例えばGAのコースを受講する生徒が50歳以上ならば授業料の75%を、もう少し若ければ50%を政府が一旦負担し、修了から6カ月以内に新たにテクノロジー関係の職に就くことができれば返済は無用とするもので、これは非常にうまくいきました。

多くのテック人材が生まれ、同国内のテック企業からも歓迎されました。将来的には、同じようなことを日本でも実現できればと考えています。

リーダー向けプログラムを重視

――GAのプログラムの具体的な内容を教えてください。

法人向けでは、リーダー向けと現場の実践者向け、さらに一般向けという3種類のプログラムがあります。

特に我々のプログラムではリーダー向けを非常に重視しています。企業がDXを進めデータドリブンの組織に生まれ変わるには、リーダーのリスキリングが欠かせないからです。彼らが率先してデジタルを理解し、新しいことに取り組む姿勢を見せることで組織は大きく変わります。

それを支援するのが我々の「Digital foundation for leaders」というコースです。ブートキャンプは短すぎても長すぎてもダメで、16時間というのが我々の考えるベスト。基本は4週間の計16時間ですが、時間の区切り方は顧客の希望によって8時間×2日や2時間×8日間にすることもあります。

コースではケーススタディを用いながらデータの基本的な概念や指標を理解し、組織内のデータサインティストらとどのように連携すればいいのかなどを学びます。受講者からは「組織の中でデジタルの共通言語ができた」「普段はあまりコミュニケーションする機会のない他の部署のリーダーとも議論ができ、会社全体でナレッジを共有できて良かった」などと大変好評をいただいています。

現場の実践者向けのプログラムは大きく分けて「ウェブ開発」「AI(人工知能)とデータサイエンス」「UX(顧客体験)デザインとデジタルマーケティング」の3種類あります。1〜2日で行うワークショップもありますが、メインは10週間40時間のプログラムです。

現場の人たちは忙しいので、1回2時間で週2日、これを10週間行います。一般向けは、これからデジタルを学ぼうという初心者を想定しており、オンラインで16時間から20時間、独学してもらいます。リーダー向けと現場の実践者向けは、状況にもよりますが基本は対面で実施するつもりです。

群雄割拠の日本での勝算は?

――日本国内には現在、Schoo(スクー)や「グロービス学び放題」などオンライン学習サービスが多数あり、米国発のUdemy(ユーデミー)やリンクトインラーニングも参入しています。その中でGAの強みはどこにあるのでしょうか。

一番の強みはグーグルやウーバーなど最先端のテック企業出身の選び抜かれた講師陣がいることです。さらにカリキュラムは、グローバルの専属チームが常に更新し、今を生き抜くための最新のスキルのみに特化しています。我々は過去10年間、プログラムの修了後すぐに就職したいというニーズに応えるためにカリキュラムを磨いてきました。内容には自信があります。

企業向けのプログラムでは先方が希望すれば、教科書に載っているようなデータではなく、顧客企業が持っているリアルデータを使って授業を行います。これもGAの大きな特徴と言えます。自社のリアルデータを使うとなると皆、目の色が変わって真剣に学びだします。

我々は、受講者が学んだ次の日から内容を応用・実践し、自分の力で課題を解決できるようになることを目指しています。40時間のプログラム修了後に学んだ内容を現場に適用したら、数億円のコスト削減につながった例もあります。

――授業は日本語ですか? 日本ではどういう人が講師になるのでしょうか。

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