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職種軸で考えるキャリア

自分が積んできた経験を生かそうとするとき、会社や業界ではないキャリアの選択もあります。それが職種軸です。

たとえば営業としてキャリアを積んできたのであれば、そのまま営業職として活躍したいと思うのはごく自然なことです。ただこれからの時代では、自分の経験を生かすため、というだけではなく、変化の時代を生き延びてゆくために、積極的に職種を絞ってキャリアを考えていく必要性が高まっています。

職種軸でのキャリアは、会社軸のキャリアとちょうど正反対で考えるとわかりやすいでしょう。

会社軸のキャリアを選ぶ場合には、異なる職種間の異動を受け入れることになります。そうして多くの職種を経験し、多くの部署で業務を覚え、たくさんの社内の知人を作ることで、その会社の全体を理解することができるようになります。会社の中のゼネラリストになることを目指すキャリアです。

しかし会社軸のキャリアは、大きなリスクも持っています。たとえば会社が傾いたときや、あるいは倒産しなくても、会社が事業の方向性を大きく転換し、経営陣すら刷新して新しい戦略を打ち出すようなときにも、対応が難しくなります。過去のつながりや経験が通用しない場合もあるからです。

そうなると会社に頼らない軸が必要です。そこで業界軸、という選択肢が出てきますが、業界そのものも必ずしも安泰ではありません。だとすれば、会社や業界を問わず活躍できる軸を持つことで、キャリアの選択肢を増やせるようになります。

変化を前向きにとらえるための選択肢を持つ

マイナスの評価や予想外の異動にショックを受けるのは、人として当然のことです。そのようなことを乗り越えて歩み続けるためには、自分自身がよりどころにできるキャリアの軸が有効です。

今皆さんがあたりまえに思っているキャリアの軸がなにで、今後は何を軸としてゆくことが望ましいのか、ぜひ考えてみてください。

 平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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