TOEIC点数と年収の真実 499以下と900台の差200万円
日経転職版 大卒年収調査2022(下)
あしたのマイキャリア「一方で、実際に仕事をする上での評価は、当然ながら実践的な英語力を持っているか、業務で問題なく英語を使えるかという点で、TOEICスコアは一切関係ありません。高いスコアを取得できてもそこで安心せずに、常に英語力を高める努力、特にビジネスシーンで使える英語力の向上が欠かせません」
――外資系が求める人材とは?
「スペシャリスト、専門性の高い人材を求めています。日系企業で様々な業務を経験してきたようなゼネラリストではなく、特定の分野で多くの経験と知識を持ち、秀でたアウトプットが期待できる方を求めています。その上で円滑なコミュニケーションをはかることができる、英語力が高い人材は評価されるでしょう」
――外資系以外で英語力が求められる業界はありますか?
「やはりグローバルにビジネスを展開している業界になります。近年ではほぼ全ての業界がこれに当たります。航空業界や旅行業界、商社などはイメージがわきやすいと思いますが、インターネットや製造業など世界に打って出ている会社では、英語力の高い人材は重宝されます」
「また、業界ではなく職種の軸で捉えますと、対外折衝の多い営業や購買、技術職以外にも、法務や経理職などといった仕事でも英語力の高い人材を求める企業が非常に増えています」
英語面接は事前に練習徹底を
――そのほか、転職活動での英語力の生かし方でアドバイスをお願いします。
「ジョブ・ディスクリプション(職務経歴書)では、ご自身の専門性の高さをわかりやすく端的な英文でしっかりとアピールすること。業務内容だけを列記する方もいますが、それでは評価を得づらく、仕事を通してどんな成果をあげたのかを、謙遜することなく明確に記載することをおすすめしています」
「面接では相手の質問に対して的確な返答ができるよう、様々な質問を想定して徹底的に事前練習することがポイントです。可能であればネーティブスピーカーと面接練習をしておいたほうがいいでしょう。全て完璧に流ちょうな英語で答えられなくても、しっかりと意思疎通ができるかを重視していますので、自信のなさそうな態度は見せずに、言いたいことをはっきりと伝えてください」