不二家「ルック」チョコ60年 ユニーク商品で市場開拓
不二家「ルック(ア・ラ・モード)」(下)
ヒットの原点チョコ好きで「新製品にひかれる層」に訴求
発売から60年の過程で、不二家は4種の味を中心としながら、ルックブランドで新しいフレーバーや味のチョコレート製品も様々に開発してきた。「チョコレートそのものは、若者を含めてどの世代でも好きな人がいます。そこには新製品が出ると試したいと思う人も多い。新しい製品を出すことで試しに食べてもらい、そこから『ルック』というブランドと商品の特徴を意識してもらうということも重要だと考えています」(菊池氏)。
最近の商品でも、工場の製造ラインで4種類を1つのパッケージにできるという他社にない長所を生かした製品が出ている。17年9月に発売した「ルック4(チョコレートコレクション)」は、カカオの含有量がそれぞれ異なる4種のチョコレートを1度に味わえる商品だ。カカオ成分が70%を超えるような単独のチョコレート商品は他社からも発売されているが、菊池氏は「その違いを楽しみたい人、利き酒のように試してみたい人もいると思って提案した。不二家だからできる商品です」と解説する。

「ルック4」はチョコ4種の味わいの違いを試せる
カカオ成分が27%と低い「ミルク」、40%の「ビター」、56%の「ダーク」、そして72%の「ハイカカオ」の4種類を1つのパッケージに入れた。商品箱の中面に「朝の目覚めにはダークから」「集中力が切れてリフレッシュしたい時はハイカカオから」と書くなど、食べる順番と組み合わせを提案している。
昨年9月に発売した「ルック3(ホワイトラバーズ)」は、食感や香り、コクの違いが異なる3種のホワイトチョコレートを1箱に入れた。これもホワイトチョコレートにこだわる層を掘り起こしつつ、ブランドとしての「ルック」の特徴をアピールする商品となっている。