東日本大震災から11年 防災ベンチャーが見つめる死角
『AI防災革命』著者に聞く
ブックコラムデジタルツインを利用して被害予測
――今後はどうやって予測精度を上げていきますか。
「現実世界を仮想空間で再現する「デジタルツインを利用した被害予測シミュレーションを導入しました。取り込めるデータが多彩で詳細なほど現実に近くなります。気象・災害や道路・走行データ以外にも人流、衛星データなどの企業とパートナー関係を結んでいます。今後はスマート信号機やドローンを用いた情報収集も期待できます。」
――AIの人材をどう確保していますか。
「大学のゼミと提携して毎年インターンシップを体験してもらっています。ただ10人の学生のうち、入社してくれるのは2、3人ですね。AI分野は進歩が激しく、情報工学以外の分野でも新入社員を研修させて戦力化しています」
――防災を課題としている国は日本に限りません。
「年内には東南アジアで防災情報サービスを展開する計画です。言語などの課題はあるものの、現地の自治体と提携してSNS情報を分析、提供します。中国に関しては日本企業がSNS情報にアクセスできないので難しいです」
――M&A(合併・買収)についてはどう考えますか。
「毎年のように、外資系などから買収話を持ちかけられますね。こちらから買収を仕掛けるには企業としての力をもう少し付けてからになります」
村上建治郎
1974年生まれ。米ネバダ大理学部、早大大学院修了、MBA取得。ソニー子会社でデジタルコンテンツの事業開発を担当し。2007年に米シスコシステムズに転職。11年東日本大震災をきっかけに独立。AIを活用した情報解析技術で、防災・危機管理ソリューションを提供。
1974年生まれ。米ネバダ大理学部、早大大学院修了、MBA取得。ソニー子会社でデジタルコンテンツの事業開発を担当し。2007年に米シスコシステムズに転職。11年東日本大震災をきっかけに独立。AIを活用した情報解析技術で、防災・危機管理ソリューションを提供。