東大よりハーバード 開成、渋幕に異国のライバル校
ニューススクールもちろん開成の過半数の生徒は東大志望だ。2021年まで過去5年間の平均合格者数は170.2人(平均卒業生数は396.8人)。明確にライバル視するのは筑波大学付属駒場高校や灘高校だ。しかし、最近、野水校長が両校以上に意識しているのが渋谷教育学園幕張中高(渋幕)と同渋谷中高(渋渋)だ。
「東大は選択肢の1つにすぎない。海外のトップスクールを目指そう」。両校を創立した田村哲夫校長はこう唱え、1983年に千葉市に渋幕、1996年には渋谷女子高を衣替えして渋渋をそれぞれ開校した。帰国子女も積極的に受け入れ、「自調自考」の探究型の学習方式を導入。両校は新タイプの進学校として急成長した。
「渋幕・渋渋効果」、首都圏にグローバル人材育成の新興校
渋渋から07年にハーバード大の合格者が誕生。さらに両校から米スタンフォード大学など欧米有名大の合格者を輩出した。21年の海外大合格者数は渋幕が米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)やミネルバ大学など30人、渋渋が米コロンビア大学など27人。同時に東大など国内難関大学の合格実績も伸びている。

大学通信調べ。※印は国立、◎印は私立、無印は公立を示す。合格者数は各高校への調査などから集計した。校名は現在の名称。
過去5年間平均の東大合格者数は渋幕が67.8人(平均卒業生数は359.2人)、渋渋は同27.4人(同209.6人)で、21年は両校合計で100人を超えた。「渋幕・渋渋効果」で首都圏には次々とグローバル人材の育成を掲げる新興校が生まれた。
その代表格が広尾学園中学・高校だ。「今年は念願のハーバード大の合格者が出るかもしれない」。金子暁副校長は声を弾ませた。エール大学、コロンビア大学、コーネル大学、ブラウン大学……。「アイビーリーグ」と称される米東部の有名私立大から次々に合格通知が届いているからだ。
秋入学が一般的な欧米大の受験は半年に及ぶ長期戦だが、「アーリー」と呼ばれ、早期に合格が決まる生徒もいる。1月20日時点で、アイビーリーグの大学にアーリー枠で5人の合格が決まった。