「人的資本」開示が映すマスク氏の危機感 日経リスキリング注目の日経電子版ニュース
最新リスキリングニュース
日経電子版が報じたリスキリング関連のニュースや解説記事・コラムを、NIKKEIリスキリング編集チームが厳選してお届けします。

「日本の経営者はあまりにも法律を勉強していない。経営と法務が離れている」。日本取締役協会会長の冨山和彦さんはこう苦言を呈しています。今やビジネスには法務戦略が不可欠。脱炭素ビジネスはまさに環境規制ありき、(個人情報管理が求められる)インターネット事業、(経済安保規制がかかる)半導体やバイオテクノロジーなどの事業もルールが前提となるといわれています。多くの経営者は法務をリスキリングする必要がありそうですね。

「会社を変える気はゼロ!」。人事評価システムを提供するユニポス社長の田中さんは、上場企業など2300社の人的資本経営の開示情報を勝手に格付けすると、6段階で平均評価は1.91だったそうです。かなり厳しい結果ですね。一方、イーロン・マスク氏率いるテスラは従業員のダイバーシティを人材獲得で競合するテックや自動車各社と比較検証、改善しています。人材育成や多様性など人的資本経営に熱心な日本企業はまだ少数派ですが、優秀な人材を確保できるでしょうか。

岸田文雄首相は9月にも経済対策の策定を指示する意向です。働く人のリスキリング、労働移動を支援して、賃上げなど「人への投資」や先端分野での設備投資を促す政策が柱になります。物価上昇による経済の下振れリスクを抱えており、成長力を高める構造改革を急ぐ考えです。