【PR】ウェルビーイング実現に向けた三井住友信託銀行のリスキリング
提供:ベネッセコーポレーション
日経リスキリングサミット2023
三井住友信託銀行 デジタル企画部 主任調査役 Trust Base CEO 田中聡 氏
人的資本経営の重要性が日に日に高まる中で、積極的に人への投資を行っている企業がある。三井住友トラスト・ホールディングス傘下の三井住友信託銀行だ。同社は2023〜2025年度の3年間でデジタル人材育成を強化することを発表。また、社員の成長を支援する目的でオンライン学習サービス「Udemy Business」を導入した。同サービスはどのように活用され、人材育成にどう役立てられているのか。三井住友信託銀行 デジタル企画部 主任調査役でTrust Base CEOの田中聡氏にリスキリングの取り組みについて話をうかがった。
Well-being実現の鍵となるデジタル人材育成
三井住友トラスト・ホールディングスは、2020年にグループのパーパス「信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる」を掲げ、Well-beingを起点とした人的資本経営に取り組んでいる。
同グループは社員のWell-beingを高めることが、お客さまや社会のWell-being向上につながり、Well-beingの好循環が生まれることで、同グループのサステナブル(持続可能)な発展に寄与すると考えている。そのために注力するテーマが、「未来適合に向けた人的資本強化」だ。このテーマが目指すべき姿は自律的なキャリア型人材の形成である。これについて三井住友信託銀行でデジタル企画部に属し、Trust BaseのCEOも務める田中聡氏は「現在はVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)と呼ばれる予測不可能な時代で、テクノロジーは加速度的に進化しています。一方で、従業員の定年は延長されるなど、働く期間が昔と比べて長くなっています。そうなると、学生時代や入社したときに学んだ知識だけでは通用しなくなってくる。社員とお客さま、社会のWell-being実現のためにはデジタルの知見が必要であり、リスキリングを戦略的に取り入れていかないといけない時代にきていると感じています」と語る。
三井住友信託銀行は、デジタル戦略の一環として2023〜2025年度の3年間で30億円を投じ、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材を育てる計画を打ち出した。田中氏は「フィンテックサービスが続々と登場する中で、もはやデジタルなしでは金融機関は生き残れません。これからは信託の知識だけ、デジタルの知識だけを持った人材ではなく、信託の知識を持った人材がデジタルのことも理解することが必要になってくるのです」と、その重要性を説く。
これまでに三井住友信託銀行はグループを通して、人材育成には積極的に取り組んできた。2021年4月には「いつでも、どこでも」学べる環境を構築するために、ベネッセコーポレーションが国内での事業展開を担うオンライン学習サービス「Udemy Business」を導入。現在では同社の全社員と一部のグループ会社社員約1万4000名にアカウントを付与している。こうした誰もが学べる環境を整備すると同時に、同グループのデジタル事業を戦略的に推進すべく設立したのがTrust Baseだ。
失敗を許容する文化をつくる
Trust Baseは2021年4月に、三井住友トラスト・ホールディングスの100%子会社として設立された。CEO(最高経営責任者)は任命制ではなく、三井住友信託銀行内の公募制度での募集だったという。これをチャンスと捉え、自ら手を挙げたのが田中氏だ。「20人程度応募があったと聞きました。優秀な方が多くいる中で自分がCEOに選ばれたのは、自分の思いをうまく伝えられたからだと思っています。失敗を許容する文化や既存の金融システムにはないようなクラウド前提のアーキテクトをつくっていかないと、この銀行はいずれ衰退するということを役員の前で訴えました」(田中氏)

社内公募制度を利用してTrust BaseのCEOに応募した田中氏
田中氏が改めて強調するのが、デジタル人材育成の重要性である。「信託の専門的な知識を持った人材が、システムづくりにも携われるようになればより多くのお客さまの期待に応えることができるのです」と田中氏は強調する。こうした三井住友信託銀行のデジタル人材育成に貢献しているのがUdemy Businessである。ブロックチェーンやデータ分析、アジャイル開発などの豊富なコンテンツが魅力で、講座のレベルも初級から上級まで用意されている。田中氏が特に利便性を感じているのはモバイルでも受講できる手軽さである。「Udemy Businessには簡単にアクセスできるので、移動しているときの隙間時間で学習できます」(田中氏)。ユーザーの受講状況を可視化できるので、将来的にはタレントマネジメントにもつなげられる。実際、社内で受講を促している講座だけでなく、社員が主体的に学んでいる様子が既に学習履歴のデータに表れてきている。
<同社で人気の受講トピックTop10>

※2022年10月〜2023年8月の数値を集計
社員一人ひとりが自律的に学習する風土を根付かせるには、コンテンツを用意するだけでは不十分である。会社としての仕組みづくりも必要であり、田中氏は2つのポイントを挙げる。「1つは会社が社員の努力を認め、評価することです。もう1つが、学んだことを実践できる環境を用意すること。例えばクラウドを勉強したのであれば、会社の業務にアサインするなど、社員のチャレンジに対して会社が組織としてサポートしなければ浸透しないと思います」。三井住友信託銀行には社内副業制度があり、関心のある業務に週に1日従事することができる。こうした取り組みの効果もあり、同社のデジタル企画部に副業を応募してくる社員が増えたという。

「Udemy Businessには簡単にアクセスできるので、移動しているときの隙間時間で学習できます」(田中氏)
リスキリングはWell-being実現のための手段の1つ
社員一人ひとりの成長と企業の成長の両立は、一朝一夕で構築できるものではない。多くの企業が模索しながらリスキリングに取り組んでいる状況だろう。三井住友信託銀行もまた、デジタル人材育成の課題と向き合いながら試行錯誤している。現在の課題は、「なぜ学ぶのか」という目的意識の醸成。田中氏はDXもリスキリングも、自分自身のWell-beingを実現するための1つの手段だと指摘する。「目的を見失わないために大切なのが、やはり会社のパーパスだと思います。会社のパーパスに共感して、社員一人ひとりが会社や社会の未来を想像する。例えば、2030年の会社はどうなっているのかをバックキャストすると、自分はどう成長すればいいのかわかってくると思います。個人の成長を支援するための学ぶべきプログラムは用意され、そこから何を学ぶかを自ら選択していくことが大切です」(田中氏)
社員とお客さま、社会のWell-being実現のため、本格的なデジタル人材育成に乗り出した三井住友信託銀行。現在は同社が目指す3年後の目標に向けて道づくりを行っている段階だ。最後に田中氏は、「豊かな社会の実現にはリスキリングが不可欠だと感じています。主人公は自分だと覚悟を持って、もし会社のルールが間違っているのであれば自分が壊すぐらいの意気込みで、楽しみながらリスキリングできると他の人たちもついてきてくれるんじゃないかと思います」と締めくくった。