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ESGにDX――時代に対応する変革を推進できる人材が必要に

「ヒト」に関しても、すでに皆さんご承知のとおり、「新卒一括採用&終身雇用&年功序列」は崩れつつあります。事業環境の変化のスピードに対応していくためにも、また、ESGの「S(社会)」に該当する「ダイバーシティ(多様性)」を推進するためにも、戦略的な中途採用が欠かせなくなっています。

しかも、正社員に限らず、場合によっては業務委託や副業者をうまく組み合わせて活用していく検討も必要となります。

このように、今や「管理部門」には単なるオペレーションだけでなく、経営や事業を俯瞰(ふかん)しながら最適な戦略を立てて推進していく役割が求められているのです。このような潮流は以前から見られましたが、今まさに「待ったなし」の状況となっています。

先に挙げたSDGs・ESG対応もしかり、加えて新型コロナウイルスのまん延も影響しています。数年前は一部の先進的な企業のみが取り組んでいたDX(デジタルトランスフォーメーション)が、コロナ禍で一気に拡大しました。働き方を含め、事業の運営・組織の運営にデジタルを活用した変革が迫られています。DX推進においても、コーポレート部門の役割が重要となっています。

こうした変化に対応するためには、繰り返しますが「全体の俯瞰」が欠かせません。

人事は人事だけ、経理は経理だけ、広報は広報だけ……ではなく、セクションを超えてシナジー(相乗効果)を生み出していかなければ、企業価値の向上を図るのは難しいでしょう。コーポレートスタッフには、これまで以上に各部署との連携が求められています。

コーポレートスタッフとして「求められる人材」になるためには

コーポレート部門の組織体制は変わってきています。「オペレーション」と「戦略」のミッションを分ける企業が増えてきました。

オペレーションに関しては、アウトソーシング専門企業を活用したり、シェアードサービス会社へ業務を移管したり。あるいは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入して効率化を図っています。

従来はそうしたオペレーションがコーポレート部門の業務の7~8割を占めていましたが、それらが縮小されているわけです。今後もこの動きは広がっていくでしょう。つまり、オペレーションだけを担ってきたスタッフは、今の社内で居場所を失うことになりかねません。

かといっても、転職するにしても、「オペレーションだけできればいい」という採用ポジションは限られています。そして転職の選択肢は年齢を重ねるとともに減っていくでしょう。

コーポレートスタッフとして必要とされる人材であり続け、キャリアを築いていくためには、コーポレートスタッフとしての専門スキルに、「事業」「経営」の視点と知見を掛け合わせていく必要があります。

では、具体的にはどのようなアクションを起こせばいいのでしょうか。

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