夫婦別姓の当事者として ADB副官房長・児玉治美
ダイバーシティ進化論
ダイバーシティ少し前の話だが、7月の参院選では多くの政党が公約に「選択的夫婦別姓の導入」を掲げた。一方、この問題に全く触れない党や「同一戸籍・同一氏の原則の維持」を主張する党もあった。争点になるのは良いことだが、1990年代に制度導入のため超党派の女性議員と活動したことを思い出すと、いまだに実現しないのが残念でならない。
私の最初の結婚は日本人男性との事実婚だった。結婚する女性のほとんど(現在は96%)が夫の姓を選ぶなか、強制的に名前を変えられる違和感から別姓を貫いたが不都合が多かった。
その後、米国人の夫と再婚し、国際結婚ならば日本でも別姓が認められることに矛盾を感じた。私たち夫婦はそれぞれ元の姓を使い続け、息子2人は日本では私の姓、外国ではミドルネームに私の姓、ラストネームに夫の姓を使っている。
法務省によると、結婚後に夫婦いずれかの姓を選択しなければならない国は日本だけ。国連の女性差別撤廃委員会から夫婦同姓の強制は差別的であり、法改正すべきだと何度も勧告されているが、進展はない。海外の主要メディアは、ことあるたびにこの問題を取り上げている。
