ザ・昭和営業マンが令和スタートアップで複業 人間味×ITで高まる市場価値
4回戦(複業編vol.3)
40代からのリスキリング道場
昭和スタイルが意外な効果(写真はイメージ=PIXTA)
NIKKEIリスキリング読者の皆さん、こんにちは。45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」の都築辰弥と申します。
本連載「40代からのリスキリング道場」は、40〜50代ビジネスパーソンに向けた、脱・学びっぱなしのためのリスキリング実践マニュアルです。早いもので4回目となりました。
2回目から連続で、40〜50代のリスキリングに、ひいては自律的なキャリア形成に、副業ならぬ "複業" がおすすめであることをお伝えしています。前回の「セミナーで1時間話せますか 40代に本当に効く棚卸し」では、複業の武器になる自分の強みの棚卸し方法を取り上げました。
一方、社外で自分のスキル・経験を活かし、複業でリスキリングを実践している自分の姿がまだピンとこない方も多いでしょう。そこで今回は、複業や社外越境による40〜50代のリスキリングの事例をご紹介します。「こんな感じでやるんだな」「これなら私もできそう」と、イメージを深めていただければ幸いです。
本記事でご紹介できるのはほんの一部ですから、毎月恒例の「やってみよう!」コーナーでは、ご自分でも事例を調べることができる方法を書いておきました。さらなる情報収集にお役立てください。
40〜50代のリスキリングに複業・社外越境が有効な理由
今回から初めて本連載をお読みいただく方のために、なぜ私が40〜50代のリスキリングに複業・社外越境が有効だと考えるのかをおさらいしておきます。
その理由を説明するために、逆におすすめしないリスキリングのやり方を先に挙げるとすれば、それはずばり「とりあえずプログラミング」「とりあえず資格」「とりあえず英語」と、闇雲に新しいことを学び直すこと。20〜30代ならともかく、40〜50代においては、目的不在の学び直しは転職や起業、昇進昇格など、キャリア形成の具体的な局面で役に立つことはほとんどないのが実情です。
甘くない現実に落胆するのではなく、ここでぜひ考えてみていただきたいのです。ほんの数カ月学んだだけの付け焼き刃のスキルよりも、20〜30年かけて培ったスキルを生かすほうが、実務経験という競争優位性がある分よほど武器になると思いませんか。
さらに言えば、その武器を勤め先だけではなく、どこに行っても生かせるようにしておくことが、転職や起業など、社外での活路を見据えたキャリア形成においては重要です。
自分の武器をどこでも発揮できる人材になるには、何の後ろ盾もないニュートラルな環境で自分のスキルを向上し生かせる場、つまり他流試合ができる場を社外に設けておくことが一番です。「会社の看板なしで、自分ひとりでどんな価値を提供できるのか?」をシビアに問われる環境でこそ、持てるビジネススキル・専門性は磨かれると同時に、今の自分に足りない、リスキリングすべきこともはっきりとわかるというもの。まさにそのような機会が複業であり、NPOでのプロボノ、地方創生プロジェクトといった社外越境だというわけです。
さて、ここから2人の「複業家」をご紹介します。2人がどんなスキル・経験を武器に、どんなリスキリングができたのかを見てみましょう。
「飲んでナンボ」「休日接待」が意外な価値生む?
代理店営業一筋のキャリアを歩まれたAさんは、自称「ザ・昭和」の営業スタイルしか知らないことに引け目を感じていらっしゃいました。「営業は飲んでナンボ。夜は銀座の高級クラブで、休日はゴルフで接待。本社の前で社長の車のナンバーを覚えて出待ちする。こんな古臭い営業、時代遅れですよね。もう誰もやっていないですよ」と。
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