塾に通わず東大合格、第一歩は称賛より「承認」
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長尾さんも通った東大駒場キャンパス
小中高生向けに教育支援事業を展開するまなびコーチング(東京・千代田)を2020年に創業した長尾圭さん(33)。幼少期を米国で過ごし、渋谷教育学園渋谷中学・高校から東京大学に進学、リクルートでオンライン教育の「スタディサプリ」事業に従事した。塾や予備校に通わず、東大に現役合格したという。社会人にも通じる学びの極意、コーチングの重要性について聞いた。
米国の幼児教育でプレゼン力向上
――子供の頃は米国でどんな教育を受けたのですか。
「5歳の時、家族で渡米し、米コネティカット州の現地の幼稚園や小学校に通いました。印象深い教育法は『Show and tell』という毎日の発表会です。お気に入りの本や玩具、ペットの話などをみんなに伝える。それを先生が『すごいね』とほめるという教育スタイルです」
――幼児のうちからプレゼンテーション能力を高め、ほめる教育を実践しているわけですね。その後、帰国して中学受験をするのですか。
「最初は中学受験する気は全然ありませんでした。しかし、兄が受験していたので、その影響でやってみようかと。もちろん英語は得意ですが、社会など暗記科目はあまりやっていない。そこで渋渋の帰国子女枠の試験を受けました」
――渋渋は、帰国子女が比較的多い都内の進学校ですね。どんな雰囲気でしたか。
「一言でいえば、何かを奪われることはなかったですね。帰国子女は、自由奔放でとっぴな集団のように思われがちです。一般の日本の中学校は校則などが厳しく、縛られている雰囲気ですが、渋渋の先生たちは前向きに受け入れてくれました」