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東大模試は理科120点満点中で11点

生徒たちに学習指導する長尾さん

生徒たちに学習指導する長尾さん

――米国流の「ほめる教育」がいいわけですか。

「基本はそうですが、必要以上に『称賛』するのではなく、『承認』するところから始めるといいと思います。単純な称賛はもろ刃の剣です。すごくやる気が上がるかもしれませんが、『おおげさだな』と反発されたり、自分は優秀と過信を招いたりするリスクもあります」。

――僕は地方の公立高校出身ですが、そもそも東大を目指す生徒などいませんでした。最初から「無理」という空気が漂っていました。

「リクルート時代に全国の高校を回りました。確かに『お前らなんて』という不遜な態度をとる先生もいました。私が通っていた頃の渋渋はそれほど東大合格者が多くなかったけど、自己肯定感にあふれていました。最初の東大模試は、確か理科2科目の合計点は120点満点中で11点しか取れませんでした。無理どころか無謀というデータが出たわけです。しかし、渋渋の先生や家族からは『君ならやれば、何とかなる』というムードがありました。自分らは認めれていると、結果、私たちの学年の東大合格者はグッと増えました」

社会人もコーチングで心のマッサージ

――東大合格の第一歩は周囲の『承認』にあったわけですね。

「そうです。無理でも、称賛でもなく、承認ですね。今はSNS社会ですが、『いいね』という承認欲求が強くなっています。学校の先生は多忙だし、保護者も夫婦共働きだったりして、子供の行動に気づいて、認めてあげるという余裕がなくなっています。その代わりのコーチが必要となっていると考えています。それで現役大学生など約80人に独自の研修を受けてもらい、小中高生向けにコーチングサービスの提供を始めました」

――米国では社会人もコーチングを受ける人が増えていますね。

「米国では大半の経営者が取り入れています。実は私自身も定期的にコーチングを受けています。コンサルティングではないので、経営自体の相談ではなく、心の状態を俯瞰的にみるためです。月に1度、東京の明治神宮を一緒に散歩しながら、心のマッサージを受けている感じです。それで新しいアイデアが浮かんだり、モチベーションがわいたりしていますね。日本でもコロナ禍で孤立するビジネスパーソンが増えています。一方でイノベーションが求められる中で、コーチングの需要は着実に高まると思います」

(聞き手は代慶達也)

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