吉本新喜劇初の女性座長 「男性にはできひん笑いを」
吉本新喜劇座長・酒井藍さん(折れないキャリア)
キャリアコラム女性座長としての苦労は意外にも楽屋にあった。座員の7割が男性だが、男部屋に入っていけず、コミュニケーションが取りづらい。「盛り上がっている様子を遠巻きに見るしかなかった」。これではダメだ、と意識を変えた。稽古の合間を縫い、あえて仕事とは別の話をしながら座員と距離を縮めていった。
台本には「新たな風」も吹き込んでいる。得意分野は人情もの。好きな少女漫画からキュンとするシーンを取り入れることも。「男性だったら恥ずかしくてできひん笑いを、私は作れる」
結婚や出産への憧れもある。人生経験は芸の幅も広げる。「まずは新喜劇を頑張る。でも結婚出産も諦めていない。いい人はまだおらんけど」
(聞き手は大竹初奈)
[日本経済新聞朝刊2022年6月27日付]