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生きる意味からスキルを考える

ここで見つかったWhy とは私の「使命」「存在意義」「生きる意味」を表します。それは、仕事に打ち込んだり、キャリアを形成したりする際の動力源となります。

首尾よくWhy(なぜ働くか?)が見つかったなら、How(どうやって実現するか?)、What(何をするか?)に展開していくのが、このエクササイズの進め方です。インサイド・アウト・アプローチと呼びます。

スキルアップの話で言えば、What が開発したい能力(何を学びたいか?)に他ならず、これから身につけたいスキルを挙げることになります。Why から考えることで自分にとって本当に大切なスキルが見つかるわけです。

◆キャリア・アンカーを手掛かりにする

仕事を通じてどうありたいか?

インサイド・アウト・アプローチという点で考え方が似ているのが、E.H. シャインが提唱するキャリア・アンカーです。人がキャリアを選択・形成する際に、譲れない価値観をこう呼びます。

「自分のペースで仕事をしたい」「ワークライフバランスを大切にしたい」といったものです。Why と違うのは、自分が欲する状態を表していることです。

キャリア・アンカーではそれを8種類に体系化しています。自分がどれに属するかを知りたい方は原著(E.H. シャイン『キャリア・アンカー』白桃書房)をご参照ください(ネット上でも簡単な診断ツールがあります)。

Why が分かればキャリア・アンカーもおおよそ想像がつきます。キャリア・アンカーが見つかれば、どんなスキルが必要かも見えてきます。たとえば、自律を大切にする人にはタイムマネジメントのスキルといったように。

キャリア・アンカーごとに「身につけておくと役立つスキル」を挙げておきました(下図参照)。働く意味は見つかったものの何を習得すべきかよく分からない方がいたら、参考にしてみてください。

ただし、これらはあくまでも例であって、一意的に決まっているのではありません。同じキャリア・アンカーを持っていても、置かれた状況によって必要なスキルが変わることは言うまでもありません。

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