ビジネスの成功を左右する「問題解決」スキル超入門
職種&スキルの図鑑Whereがわかったら、問題の原因を追求する「Why」のステップです。例えば特に既存顧客の売り上げが下がっているならば、他社サービスに乗り換えられたのか、アフターサービスが不十分なのかといった原因を分析します。最後に、考えられる原因に対して解決策を立案します。これを「How」と呼びます。
問題解決の3つのワナ
問題解決のステップでよくある失敗が3つあります。
<よくある失敗1>問題箇所(Where)を適切に特定しないまま原因を追求
例えば、売り上げが5%落ちたことが問題であるときに、問題箇所を「プロモーションのやり方を変えたばかりだからプロモーションだ」と考察するのは適切でしょうか。プロモーションや価格、商品を変えることでたしかに売り上げは影響を受けますが、これらは結果そのものではなく「打ち手」(インプット)です。問題箇所を特定する際は、先に「結果」(アウトプット)のどこに問題があるのかを見極めましょう。

GLOBIS学び放題「クリティカル・シンキング2(問題解決編)」より
<よくある失敗2>根拠のない決め打ち
例えば、「レジが混んでいるから購買率が下がっている」と仮説を立てたとします。この仮説を検証しないまま、レジスタッフの改善に取り掛かるのはどうでしょうか。本当に仮説が正しいかどうかは、実際にレジの待機時間を測って購買率との相関性を見たり、レジが混んでいても購買率が高い店舗はないか調べたりして初めてわかるでしょう。検証しないまま改善策を実施しても、本来解決したい問題が残ってしまう可能性があります。
<よくある失敗3>無目的な分析による時間の浪費
原因を追求するには問題の分析が大事ですが、「手元にあるデータからわかりそうなこと」を起点に分析を始めていないでしょうか。例えば「顧客データから居住地が分かるのでエリアごとの購買率を比較する」など、単に思いついたカテゴリで分類・分析しても、結果には結びつきにくいです。意図や目的を持って分析するようにしましょう。
「MECE」で正しく分ける
問題解決の4ステップで役立つ有効なフレームワークがいくつかあります。その1つ、「MECE」(ミーシー)を紹介します。
MECEとは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので「モレなく・ダブりなく」を意味します。モレなく・ダブりなく分析対象を切り分けることができれば、見落としがなくなり効率よく分析できるのです。
MECEには3つの切り口があります。
①層別分解:全体集合を部分に分ける(例:年代別、職業別など)

GLOBIS学び放題「クリティカル・シンキング2(問題解決編)」より
②変数分解:事象を変数で分ける(例:売り上げが下がったのは、単価低下と数量減、どちらに明代があるのか?など)

GLOBIS学び放題「クリティカル・シンキング2(問題解決編)」より