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「環境変更」が有益なケースのサイン

つい先日に転職相談で話を聞いた、某スタートアップ企業にマネジメント職として参画した30代のBさんのケースはこうです。

「掲げるビジョンにとても強く共鳴して、今の会社に参画しました。採用オファー時に提示されたのは、自分がこれまで別業界で実績を上げてきた領域での経験を持ち込んでの市場開拓でした。自分としても、これであれば、即戦力として貢献できると思い、転職を決めたのです」

ところが、入社すると、いくつかの事情が重なり、オファー時のミッションとは異なる役割を負ってほしいということになりました。社長からも丁寧に説明を受けたので、それならばと担当変更を受け入れました。

「しかし、結果としては、どうしても水が合わないと言いますか。意味、意義は理解できているものの、どうしてもその担当業務が自分としてしっくりこず、肌が合わないことから、気持ちも沈みがちになってしまって」

前向きに転職を考える第3のタイミングとして挙げられるのは、「環境を変えたほうがいい状況」です。仕事が自分に合わなくなってしまった。そのせいで疲労や燃え尽きを感じる。楽しかったはずの仕事に激しい疲労を覚えるようになり、仕事に行くために朝、家を出ることさえつらい。会社や人間関係に何か問題があったわけではない。ただ、担当職務が自分に合わなくなってしまった――。こういうことは誰にでも起こり得るものです。

状況を改善するにあたっては、まずは会社、上司や社長に状況を相談すべきでしょう。それで理解してもらい、担当変更・役割変更することによって状況が改善できれば、それにこしたことはありません。

しかし、その職務を変える機会自体が自社の中にない(望ましい役割には現任者がいて担当変更は難しい。そもそもスタートアップや中堅・中小企業の場合、役割を変える先自体がない)ならば、転職を選択肢に加えて、別の会社での望ましい場を探すことは、妥当といいますか、急務のことです。

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