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筆算能力検定は20級から最高位の「超人位」まで32段階の等級がある

筆算能力検定は20級から最高位の「超人位」まで32段階の等級がある

社会のリーダーと中学受験がどう関連するのか。その疑問に対する吉田校長の答えは明確だ。「幅広く深い知識や思考力、発想力だったり、多面的な見方や考え方、粘り強く努力する姿勢だったり。そんな資質が社会のリーダーには求められると思っていますが、それらを磨いていく上で、中学受験のための勉強が役に立つから」という。

吉田校長は慶応大学法学部を卒業後、社会科教諭として洗足学園中学高等学校に就職した。学年主任や教科主任、入試広報委員長などを歴任後、2009年に洗足学園小へ異動。副校長を1年務めた後、校長となり、現在に至る。福島県内で中学の教師だった父親の背中を見て育った家庭環境も教師を目指した理由の1つになっている。

洗足学園の中高勤務時代には入試問題の研究などにも従事。その関係で難関私立中などの問題を分析する機会が多かった。各校の入試問題を読み解く中で分かったことは単なる知識の詰め込みではなく、データを読み込ませ、考え方を問うなどよく練られた問題が多く、その傾向が今どんどん広がりつつあるという。「課題を見いだし、一つ一つ解決していく能力などは、まさに現代社会で求められているものだ」と吉田校長は指摘する。

物事にはとかくプラスとマイナスの側面があり、中学受験でもそれは当てはまる。それでもプラスの側面をしっかりと捉えた方が、むしろ次世代のリーダーを育成する上でも欠かせない礎になるという結論に至った。

中学受験を前提にした小学校6年間のカリキュラムは綿密だ。1年生の3学期からスタートする「日記漢字」もその1つ。日記と漢字の練習をセットにしたもので、毎日続け、翌朝に学校に提出するのが日課で、卒業まで続く。中学受験には家庭学習の習慣が大事といい、そのために日記漢字がある。

学校授業、6年生の1学期までに終了

早く、正確に計算ができれば、中学受験でも有利だろう。そこで「筆算能力検定」も毎月実施している。20級から始まり、順次1級までステップアップしていく。さらにその上には初段と続き、最高位の超人位まで全部で32段階ある。等級に応じた計算問題を1年生からこなし、合格すれば次の等級に進む。「早ければ5年生の秋ごろに超人位に達する子もいれば、超人位に達せず卒業する子もいる」(吉田校長)。

学校の授業は6年生の1学期までに終え、2学期からはこれまでの復習や中学受験のための入試問題対応などの時間に充てる。授業が分からなくなった児童のフォローアップや、個別の質問に対応するため週2回、放課後に3~4年生を対象にした個別指導も行っている。5~6年生を対象としていないのは放課後、塾との両立で忙しい子どもたちへの配慮でもある。

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