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ヒントンさん パソコンが人生を変えたわけですか。

若宮さん 当時はまだインターネットが普及しておらず、パソコン通信が主流でしたが、人に直接会わなくても、チャットしたりして、交流できるわけです。楽しいなと思って仲間をつくり、ソフトを使って遊んでいました。ビジネスソフトの「オフィス」を活用して、お絵描きをしたり、Excelでデザインを考えたりしました。私の着ている多くの服は自分でデザインしたモノです。今、高齢者の300人ぐらいの仲間とクラブをつくり、オンライン会議サービスのZoomを使った勉強会を開いています。

ヒントンさん 私の会社では、世界の人たちのリスキリングを支援したいと考えています。高齢者の方は、仕事を引退して、いまさら学ぶのは面倒くさいという人も少なくありません。高齢者がリスキリングするにはどうしたらいいのでしょうか。

若宮さん 仲間と楽しみながら、学ぶことが大事なのではないでしょうか。明確な目的を設定して、面白さを知らないとうまくはいかないと思います。私の兄は92歳ですが、90代の人たちも勉強会に参加して、それぞれが目標を持ち、成果を発表しています。仲間と楽しみながら、バージョンアップしているわけです。

「女性は理数系が苦手」は先入観

ヒントンさん リスキリングをする上で、仲間と楽しむというのは大前提となりますね。一方で、日本を含め女性のエンジニアが少ないことも企業の課題になっています。

若宮さん 女性は理数系が苦手という先入観があるからだと思いますが、私はそうは思っていません。日本の親は、「エンジニアは素晴らしい。理系の大学の進むのは賛成」と口では言いますが、浪人したり、地方からわざわざ東京の理系の大学に進んだりする必要はないと娘には諭します。男女同権と言いながら、「あなたは女なのだから」というのが本音というわけですね。

ヒントンさん なるほど親など影響を与える人の意識をまず変えなくてはいけないのですね。今、日本でも政府や企業でリスキリングを求める声が高まっています。新たな人材育成が課題になっています。

若宮さん 私は企業の講演会によく呼ばれます。経営幹部の方から「ウチの中高年の社員にもっとやる気を出して、リスキリングしようと伝えて欲しい」とお願いされます。自分たちよりも87歳の私が話した方が説得力のあるというわけです。やはり日本の経営者は今の40~50代に物足りなさを感じているのでしょう。リスキリングしてもらって、もっとがんばって欲しいと考えていると思います。

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