変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

日本の中高年がリスキリングに積極的ではない理由

ヒントンさん 若宮さんはやる気もあるし、情熱もあります。しかし、なぜ日本の中高年のビジネスパーソンはリスキリングに対してあまりやる気のない人が多いのでしょうか。

若宮さん それは一生懸命勉強しても、給料やボーナスにあんまり反映されないからではないでしょうか。日本の大企業に勤める「おじさま」は、会社のルールに違反せず、定時に出社して退社して毎日過ごすという人が少なくありません。真面目だけど、新しいトライはしない。大企業は、江戸時代の藩のような存在ですね。一度入ったら、抜け出さず、抜け出させず、ずっと最後までそこにいるわけです。

ヒントンさん 日本の大企業は依然として終身雇用制が少なくないわけですか。年功序列型の企業も変わっていない。

若宮さん 企業側は変えたいと考えていますが、実際はしがらみがあります。年功序列型から能力主義に徐々にシフトしている企業も出てきていますが、経営陣も高齢化しているので、若返らない限り、大きく変えるのは難しいと思います。

ヒントンさん DX化が求められる中、日本の人材もリスキリングを迫られると思います。どうしたらいいでしょうか。

勉強楽しければリスキリングも進む

若宮さん 教育に課題があります。日本では20代前半までは相当勉強しますが、卒業したら縁が切れてしまいます。しかし、人生100年時代なので学び続けること、「生涯教育」が必要となります。多くの親は、子供の頃に志望校を目指せと必死で勉強させますが、勉強嫌いなるばかりです。それよりも勉強は楽しいと教えて欲しい。そうなれば社会に出てもリスキリングもしやすくなるでしょう。

ヒントンさん 生涯教育は必要ですね。デジタル化が進む中、仕事は変わり、新しい仕事も生まれています。ある分野では労働力が足りなくなったり、それを自動化で補ったりしています。私が創業したSkyHiveは、様々なデータを収集・分析して、AI技術を使って最適なリスキリングを支援して、社会の問題解決に貢献したいと考えています。日本でも法人を設立して本格参入します。

若宮さん 学び直したり、学び続けたりすることが大事ですよね。高齢者もリスキリングして社会参加する必要があると思います。人生100年時代です。学び続ければ、80~90代でも社会貢献できます。

◇SkyHiveの創業者兼CEOショーン・ヒントンさんは、10月12日に日本経済新聞社で開催される「日経リスキリングサミット」に登壇します。

(聞き手は代慶達也)

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedoNIKKEI SEEKS日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック