27歳で上場企業取締役、エイジレス社会を目指し起業
キャリアコラムスタートアップに飛び込むも組織瓦解
スタートアップ系のキュレーションメディアに転職、経営企画のトップとして中枢部門で働いた。組織の平均年齢は24歳。年齢や経験年数関わらず活躍できる組織を目指した。しかし、その100人規模の会社は一瞬にして瓦解した。

「年齢のレッテルは不要」と語るエイジレスの小出さん
「ある意味で自分を含めたマネジメント層の未熟さや若さが原因での崩壊だった」と振り返る。苦い経験をした小出さんはフリーランスとしてスタートアップ企業の会計業務や資金調達、経営企画のサポートを始めた。
そこで出合ったのがスマートフォン向けゲーム事業を手掛けるマイネットの上原仁社長だった。他社のスマホゲーム事業を次々買収して高成長を遂げた上場企業だ。マイネットに転職したが、この会社も経営不振に陥った。買収を繰り返し、40タイトルほどのゲーム事業を展開、社員は700人近くにまで膨らんだが、KPI管理や管理会計が徹底されておらず、2期連続の赤字になった。
社長に再生案を提案、27歳で最年少取締役へ
そこで小出さんは、思い切って社長に再生プランを提案した。通常の会社であれば、転職してきた20代半ばの社員が再生案を出すなど考えられないだろう。しかし、役員が次々辞め、経営が混乱状態にあった。「年齢は関係ない」が信条の小出さんは物おじしなかった。
「ボトルネックは3つぐらい。要は事業を整理整頓して、どこにどんなコストがあり、どこまで下げればいいのか、明らかにすればいいだけ」と不眠不休で作業に当たった。月1万円以上の1千余りの支出項目をすべて洗い出した。赤字の原因を突き止め、コスト構造を明確にして事業再生案を作成した。
この結果、余剰だった10億円の近くのコストを削減、事業体制を抜本的に見直した。収益性の高い大型M&Aに成功したことも収益改善に寄与した。19年12月期に最終損益で24億円超の赤字だったが、翌期には11億円強の黒字に転換した。小出さんは弱冠27歳で、一部上場企業の最年少取締役に抜てきされた。