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トヨタの女性エンジニア、入学して即副業・起業

副業・起業を始めたトヨタの鶴田さん

副業・起業を始めたトヨタの鶴田さん

「食をテーマに社会貢献したい」。トヨタ自動車の若手エンジニアである鶴田彩乃さんは、20年7月にフードロスゼロを目指すベンチャー企業「どんぐりピット」を立ち上げた。変革期にある自動車業界の中で、トヨタも新しい事業に次々取り組んでいる。「大学時代からクルマ造り一筋だったが、自分も視野を広げよう」と同年4月にNUCBに入学した。ビジネスイノベーションや会社法、資金調達などを学び、トヨタに副業を申請、わずか1カ月で起業に踏み切った。

鶴田さんはトヨタグループの拠点のある愛知県刈谷市の名門公立高出身。国立大学工学部を経てトヨタに入社。同じ会社に勤める同級生も少なくない。ただ、NUCBに入学して「人生が変わった。優秀な教授のほかに法曹や金融、ITなど様々な業界出身者と出会い、新しい刺激を受けた」という。

巨大企業で役職に20代で就くことはまずない。しかし、ビジネススクールに通い、副業、起業することで実践的な経営を学ぶことができたという。ただ、トヨタを離れるのではなく、「あくまでも目標はクルマ開発を担うリーダー人材になること。この経験をトヨタで生かしたい」と語る。

ケースメソッド生かして売上40倍、社内起業家に

イントレプレナーとして活躍する菊池さん

「イントレプレナー(社内起業家)のユニコーンを目指し、ニューヨークを往復しながら、ビジネスを展開している」。日本を代表するフォントメーカーのモリサワから19年にスピンオフしたスタートアップ企業のZeBrand。ブランディングオートメーションのウェブサービス企業だが、この会社をゼロから立ち上げたのが菊池諒さんだ。

中央大学法学部出身。当初は公務員志望だったが、フォントに興味を持ち、モリサワに入社。米国の名門美術大学にリサーチフェローとして留学し、グラフィックデザインなども勉強した。起業やビジネスイノベーションにも関心を持ち、13年にNUCBの門を叩いた。

「フランスの提携校にも短期留学するなど楽しかった。マーケやイノベーションの講義はそのまま実際のビジネスに応用できた」という。当時、菊池さんはフォントの拡散事業に携わっていた。同校のケースメソッドを生かして、14年から1年間で売り上げを40倍以上に引き上げた。他社と提携して新規事業もスタートしたが、自社の取締役にプレゼンする際も、同校の学びが役立ったという。

当時のモリサワはグローバルベースの新たなデジタル事業を模索していた。菊池さんは、米国留学やNUCBでの体験をもとにブランドを自動生成するサービスを企画、経営陣にプレゼンした。「実はまだ平社員だったが、理路整然と説明できた」。ZeBrandの顧客は欧米中心に6万5千ユーザーとなり、フルタイムの社員も10人以上となった。「アントレプレナーではなく、イントレプレナーとしてモリサワに恩義を返しつつ、新たな価値を世界に届けたい」という。

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