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再浮上したのはリスク管理のグループ会社に出向し、海外の法制度などの調査をしたときだ。強みがない中、ひねり出した研究テーマが「チャイルドシート」。装着義務の法制化を検討する警察庁に調査業務が採用され、検討会に参加。法制化が実現した。「自分の仕事が世の中の役に立った」。その実感が自信を回復させた。

41歳で本社のCSR(企業の社会的責任)推進室長に就いた際は、保険金不払い問題で行政処分を受けるという会社の危機に直面した。CSRリポートで、処分に至った背景を説明することに力を尽くした。問題の原因を深掘りする内容に社内から批判も出たが「会社のためを考え、押し通した」。結果、リポートは社内外で多用され会社再生時の貴重なツールとなった。

2021年4月から保険金を支払う損害サポート部門の担当常務に。同部門の約7000人の社員に「誇りと自信を持ってほしい」と、保険金支払い手続きの効率化など改革を打ち出す。社会貢献の実感がやりがいになった経験が背中を押す。

(聞き手は川本和佳英)

[日本経済新聞朝刊2022年5月30日付] 

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