我慢せず得意分野で勝負する 自分らしさの整え方
自分らしさの整え方
働き方
写真はイメージ=PIXTA
「元気が出ない」「希望が持てない」というときは「メンタルでなんとかしようとするのではなく、まずは動いてみる。そんな具体的なノウハウが必要です」。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる医師の小林弘幸氏はこう言います。そんなノウハウを108項紹介した『整える習慣』(日経ビジネス人文庫)から、その一部を紹介します。最終回は自分らしさの整え方です。
◇ ◇ ◇
かけがえのない人生。「我慢するのが当たり前」だと思わない
「人に合わせて生きていく」のが苦でないならば、それもひとつの生き方です。
ただし、「自分は本当に我慢していないのだろうか」ということは、ぜひともじっくりと自問自答してみてください。
なぜこんなことを言うかというと、私は職業柄「もう人生が長くない」という人たちにも関わります。なかには余命半年と宣告される人もいます。
そんな人たちと間近で接していると、いつも思うのは「人生は、我慢するのが当たり前ではない」ということです。
もし、あなたの余命が半年なら、イヤなことを我慢してまでやるでしょうか。ストレスフルな職場に毎日行くでしょうか。
もし、そんなストレスいっぱいの会社なら、きっと今すぐ会社を辞めて、もっと大切なことに――普通の日常生活を送ることであったとしても――大事な時間を費やすと思います。
それが自分の人生を生きるということです。
我慢をして、周りに合わせて、何かを乗り越えることを、もしかしたら美徳のように感じているかもしれません。そうやって成長してきた部分も当然あることは否定しません。
しかし、本当に人生の残り時間が少なくなったとき、そんな時間の使い方をあなたはしたいと思うでしょうか。
余命わずかになった人たちの多くが「もっと自由に生きればよかった」「もっと家族との時間を大切にすればよかった」と口にします。
私は何も「我慢をせず、自分勝手に振る舞え」と言いたいわけではありません。しかし、かけがえのない人生において「我慢するのは当たり前」では決してありません。