転職で年収1000万円を勝ち取るコツ 給与交渉の進め方は?
あしたのマイキャリア
コトラのコンサルタント、宮崎達哉さん
転職を考える理由として、年収アップを挙げる人は多くいます。なかには1000万円を超えることを「目標」にする人も。ただ、給与の交渉は応募企業になかなか切り出しにくいのが現実です。そこで「平均決定年収1000万円超」という実績を掲げる人材紹介会社コトラのコンサルタント、宮崎達哉さんに給与交渉のコツを聞きました。いつから、どのように進めればいいのか、1000万円超の転職を実現するにはどうしたらいいのでしょうか。
年収を上げる3つのポイント、400万円アップのケースも
――転職で年収アップを希望する人は多くいますが、どのくらいの人が上がるのでしょうか。
「支援した転職者のうち、少なくとも50%以上は前職より年収を上げています。上げ幅は数十万円から300万、400万円まで業種や年齢によって違いはあります。今は転職希望者に有利な『売り手市場』ということもあり、企業は給与面を含めていい形で迎え入れたいと高額オファーを提示することは珍しくありません」
「採用の動きとしては人手不足が続くIT(情報技術)業界だけでなく、これまで新卒採用や若手のポテンシャル採用が中心だったメガバンクや信託銀行、証券などの金融機関、大手コンサルティング会社が30代以降の採用を強化しています。中小企業から大手企業への転職、産業構造の川下からより上流工程である川上への転職が伸びています。給与は中小より大手のほうが高いこともあり、必然的に年収アップに結びついています」
――転職で給与を上げるポイントを教えてください。
「3つあります。1つ目は年収が相対的に高い業界に転職することです。大手金融や総合商社は総じて従業員の平均年収が高く、転職者採用に積極的なので狙い目です。2つ目は同じ業界の中でも高年収を提示する企業を目指すことです。ビジネスの成長が著しい企業は人材採用にも積極的で、同業他社より高額のオファーを出しています。どうしても入社してほしい優秀な人材には前職年収に200万〜400万円を上乗せするケースも少なくありません」
「最後は異業種転職です。業種を変えると年収が下がるイメージがありますが、自分の経験が別の業界や職種ではレアなケースといったことがあります。例えば、IT人材が同業界内で転職する場合には、自分と似たような経験・スキルを持った人との競争になり、年収は横ばい、または数十万円程度のアップでしょう。一方、目線を変えて金融や事業会社などITの知見が少ない組織に転職すれば評価は高くなり、年収は上がる傾向があります。近年、金融機関はUI/UXデザイナーやデジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタルマーケティングなどの分野で積極的に異業種人材を高い年収で採用しています」