英語ダメでも仕事できるは古い 年収は最大1.8倍の差
技術者の働き方ホントの話セレクション語学力があれば、働くエリアの制限がなくなる
最近では、昇格の要件として「TOEICのスコアで700点以上」を課す企業も増えてきました。今では「仕事ができても英語ができなくては困る」という時代になったといえるかもしれません。
実際、筆者がクライアント企業の新卒採用で面接官をしていると、一部上場企業などでは「TOEIC700点、800点」といった学生もよく見かけます。仮に英語を使わない職場でも、上司もそのくらいのスコアは持っていて当たり前、と思われていても不思議はありません。

電機分野は、語学力による年収差が大きい(写真はイメージ)=PIXTA
こうした若手からは、「海外勤務は本社のある日本から離れるので、将来の出世において不利になるのか」といった相談を受けることもあります。20年前なら「海外勤務したいという強い希望がないなら、企業成長を感じられる日本で目の前の仕事をして昇格し、好きなことに取り組むべきだ」とアドバイスしたでしょう。しかし最近は、とにかく海外勤務を勧めています。
ITをはじめとした技術進化が著しい海外で勤務をして、日本に帰ってこないくらいの働き方のほうが、成長を感じられて楽しいのではと思うからです。仮に他国のほうが急成長している分野で働くとしたら、日本にいることがリスクになることもあるかもしれません。成長市場で自分のスキルを磨きつつ、外国語を使わざるを得ない状況に自分を追い込んで語学力を高めるチャンスがあれば、どんどんチャレンジしたほうがよいでしょう。
語学力があれば、自分の働くエリア(国、地域)の制限が取り払われます。同時に、マネジメントするメンバーの幅も広がります。
語学力は年収だけでなく、自分の成長に大きく関わるものなのです。年齢にかかわらず、積極的に挑戦することをお勧めします。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。