工場勤務での不満や悩み、転職で解消? 専門家が助言
技術者の働き方ホントの話セレクション収入について注意すべきは、「額面だけでなく実質所得を考える」ことです。例えば、日々の食事代。工場では、会社の補助でボリューム満点の食事をかなり安価に食べられるケースが多くあります。こうした工場で勤務している人は要注意です。
1回200~300円で昼食がとれる工場での毎日と、華やかな都心で1000円はするランチを食べる日々では、1カ月の生活費は大きく変わるでしょう。コンビニで購入して値段を抑える、お弁当を作って節約するといった方法もありますが、都心での勤務はそれ以外にも何かと出費がかさみます。
自動車通勤なら服装にも無頓着でいられましたが、電車通勤に変わればそれなりに気を使わなくてはいけません。工場の自販機で買うものだったコーヒーも、都心でカフェに入れば数百円かかります。確かに単調な日々には変化が生まれるかもしれませんが、変化にお金がかかることは意識しておく必要があります。
他の職種を観察してみよう
最後に、工場勤務からの転職を希望する人にお勧めしたいことがあります。それは、事務職など他の職種を観察してみることです。
工場に毎日自動車で通勤していると、職場以外の人が仕事をしているシーンに触れる機会は少ないでしょう。ですから、ときには有給休暇なども活用して平日のオフィス街などを歩き、仕事時間中のビジネスパーソンの様子を見てみましょう。
また事務職ならば、工場内でも見学できるはずです。見たり話を聞いたりして興味が湧いたら、異動希望を出してみるのも1つの方法です。そこで事務職を体験した上で、さらに別の会社に転職したければすればよいのです。
事務職を体験してみたら、工場の現場に戻りたいと思う人が多いのも事実です。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。