同僚が嫌いでたまらない 会社を辞めずにしのぐ方法は
技術者の働き方ホントの話セレクション前向きな理由で異動希望を出す
別の部署に異動希望を出す手もあります。ただし希望を聞かれたときには、人の好き嫌いが理由とは言わないようにしましょう。
嫌いな人が上司であり、上司も自分を嫌っていることが分かっている場合は、「この部署が嫌だから出たい」と言ってもよいかもしれません。しかし嫌いな人は別にいて、上司との関係は良好、あなたも仕事をきちんとこなすタイプであれば、上司はあなたを手放したくないと考えられます。あなたが嫌いな人と上司との関係も同じです。
ですから「現状には満足していますが、さらにこんな部署でスキルを磨いて会社に貢献したいと思います」のように前向きな理由を伝えましょう。それならば上司も反対しにくくなります。「あの人が嫌だから異動したい」と最初に伝えようものなら、上司からは苦言を呈されて終わりになるかもしれません。
カバさん、ウシさんとあだ名を付ける
最後に、幼稚だと思われるかもしれませんが筆者が実践していて有効だった方法を紹介します。部署のメンバー全員に、自分の中だけで通用する動物のあだ名を付ける方法です。相手を冷静に客観視でき、腹も立ちにくくなります。
筆者はワーカホリック気味だった20代のころ、職場にどうしても許せない人がいました。相手は年配の社員で、出社してすぐにタバコ部屋に直行、1~2時間ほど戻ってきません。戻ってきたと思えば早めの昼食に出かけていき、午後5時になるとすぐに帰宅。どうしてこんなに仕事をしないのかとイライラしていました。
その気持ちを解消すべく、試しに職場の全員を動物に例えてみました。動物には申し訳ないのですが、仕事をしない人はカバさんかウシさんです。
するとどうでしょう、仕事をしないで社内をうろうろしていれば放牧中のウシさん、眠そうにしていればあくびをするカバさんのように見えて、イライラが少なくなりました。それどころかカバさんには優しい言葉を掛けられるようになりました。
いつもキーッと怒鳴っている課長はおサルさんです。このようにひそかに全員にあだ名を付けてみたら、会社に通うのが毎日楽しくなりました。嫌いな人がいる会社に行くのではなく、動物園に動物観察に行くと考えたら、少し気楽になりませんか。
今回は、嫌な人がいる職場をしのぐための、小手先の方法をご紹介しました。これらを試してみて「それでも我慢できない」となったら、本連載の転職の回を読んでみてください。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。