同じ仕事で年収アップできる 転職で大切なポイントは
技術者の働き方ホントの話セレクションただしITエンジニアで言えば、「どんな業界を選ぶか」は重要なポイントになりそうです。先ほどの調査でも分かるように、業界によって平均年収には差があります。ITエンジニアの求人は業界を問わず出されているので、「これから伸びる産業はどこか」「ITエンジニアを高く評価してくれる業界はどこか」という視点を持つことも必要です。

業界によって平均年収には差があります(写真はイメージ)=PIXTA
昭和生まれ世代には「大手金融に行けば年収1000万円」といったイメージを持つ人もいますが、必ずしも今は通用しません。思い込みを捨てて、最新のデータに接してみるとよいでしょう。
持ちかけられる話よりも、もうかっている人を見る
お金を稼ぎたい人の中には、「こうしたらもうかりますよ」という他人の話にすり寄ってしまう人がいます。しかし筆者としては、人から持ちかけられた話よりも、実際にもうかっている人にすり寄るほうが効果的だと思います。すり寄るという表現が悪ければ、「観察してみる」と言い換えてもよいでしょう。
もうかっている人の多くは、自分からは近寄ってきません。お金を稼ぐことに集中しており、それ以外のことに意識や時間を使わないからです。ですからはたから観察して、何が秘訣なのかを見てみてもよいでしょう。
その人の所属企業に入社しさえすれば自分も同じように稼げるのでは、と考えるのは早計です。その人が得ているのが給与収入だけとは限らないからです。夫婦共働きで収入に余裕があるのかもしれませんし、賃貸による不動産収入や親から譲り受けた資産、副業収入などによるものかもしれません。
見方を変えれば、自分の本業の給与だけで希望の年収を実現しなくてもよいのです。副業なども視野に入れて、さまざまな人の働き方や最新のデータを調べてみるとよいでしょう。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。