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「適切でていねいな接客」が、むしろ待ち時間を短く感じさせる効果がある?

私は少し混乱した。

富田「日本人は、他人がすることにイライラする国民性なのか、あるいは機械に置き換えられることに慣れてしまったのか『イライラするぐらいなら自分でやる!』と、スーパーなどでセルフレジを選択する人が少なくないが、時間のことだけを考えれば品物を店員が計算して詰める方が、現時点ではロボットの半分の時間で済む……無機質なロボットが倍の時間かけてもムカつかないが、人間の接客時間は『うざい!』『無駄!』『長い!』と散々の評価をうけがちだ……」(富田記事を梶原解釈)

「コンビニにていねいな接客など誰も求めていやあしない! ロボットでもなんでも使って、スピードアップしてくれ!!」

こんな考え方の見直しを迫られた。コンビニでは「必要なものを最速で提供・処理する合理性」以上に、「気持ちのいい接客」や「居心地のいい空間」が求められているらしい。

合理性を強く求められるはずの「コンビニ」でさえ「理」より「情」が求められるとなれば、ビジネス全般における「情」の重要さが見えてきそうだ(飛躍?)。

富田さんは「客に対し、従業員が横向きでレジ打ちに専念できる大型スーパー」に比べ、「客を真正面から迎え、商品や金銭のやりとりをする、対面対応のコンビニ」のほうが「接客の良しあし」が「圧倒的に見えやすい」との趣旨を述べている。すなわち「コンビニ」の成否を分けるのは「接客での対人スキル」だと私は受け止めた。なんともアナログな感じだ。

つまり富田さんによると、同じ「レジ打ち」でも、スーパーとコンビニでは役割が違うということになる。対面、至近距離で顔を合わせ、言葉を交わす「コンビニ店員」には、物やカネの受け渡しという「即物的交流」とともに、相手の感情を受け止めたり共感したりする「感情交流」を適切に行う技が、より強く求められているというのだ。

お客さんの顔と、よく買う商品を覚えておく

流通業界では大型スーパーが苦戦する現在、意外な「コンビニの善戦」が伝えられる。顧客開拓のキーワードは情の接客なのか?

「またまた、適当なこと言っちゃって……梶原さんは相変わらずだなあ」とあきれて言うのは、現在都心にあるコンビニの店長を務める30代後半の友人だ。都心のマンションの1階にあるその店は、なかなかな繁盛ぶりだ。

店長「うちの店は若い人というより、ある程度年齢のいったお客さんが多いんです。パッと来てパッと買ってパッと帰るというより、ちょっとくつろぎたいというお客様が多い。会話を楽しみたい方もいらっしゃる」

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