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「どうも」のほかに、「臼井さんはクラシック音楽がお好きですよね」と質問をされた場合に「はい、好きです」ではなく、「です」とだけ素っ気なく答える人もいます。あるいは「山田さん、来週のイベントは?」「部長、この書類は?」などと言葉をはしょって、質問をする人がいます。これでは何を聞きたいのか、真意をつかむのが難しくなります。

「山田さん、来週のイベントには参加するのですか?」かもしれませんし、「山田さん、来週のイベントの場所は●●ですよね」と尋ねているのかもしれません。「部長、この企画書は?」では、答える相手は困ってしまいます。「置き場所」「処理方法」「書き直し」「再考」など、様々な返答が思いあたりますね。

こうして文章にすると「不自然な言葉遣い」だと、分かりますが、会話ではこうした言葉の省略をすることが本当に多いのです。言葉をきちんと伝え、最後まで言い切ることはマナーであり、相手への思いやりでもあります。無用の誤解を防ぐことにもつながります。

世の中は省エネが推奨されていますが、言葉遣いを省エネすれば、人間関係は希薄になります。自分の言葉で明確に伝える意識を持って、相手を自分だと思って、丁寧に伝えましょう。それが話し方の基本です。

次回は「褒めて好かれる人、褒めて嫌われる人」です。「褒め言葉」の扱い方について解説します。お楽しみに!

「臼井流最高の話し方」は水曜更新です。次回は4月19日の予定です。

臼井由妃
ビジネス作家、エッセイスト、講演家、経営者。熱海市観光宣伝大使としても活動中。著作は60冊を超える。最新刊は「今日からできる最高の話し方」(PHP文庫)
公式サイト http://www.usuiyuki.com/

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