不倫たたきが続く理由 とがめるトーンに変化?
梶原「丁寧? まあね。『ご心配をおかけして申し訳ありませんでした』って、謝罪の紋切り型もよく聞けば変だよね。そもそもよほどの身内以外、心配して会見を見ている人はまずいない。『お騒がせしてすいません』とも言ったらしいけど、騒いでいるのはマスコミで、実は騒ぎながら『おかげで部数が伸びてありがとう!』と、むしろ喜んでるんだよね」
友人A「確かに。不倫モノの記事は部数増に直結するから出版社にとっては面白いというよりありがたい。その後追いで飯の食えるテレビ局も数字が取れれば、そりゃあうれしい。うち(かつて籍を置いた出版社)なんかでもそうだけど、テレビ局もいい数字はエレベーター前に張り出すでしょう?思い出すなあ、イケメン国会議員と某キャスターの『路チュー』をスクープしたあのころ」
梶原「10年も前かあ。あのころは『国民の税金で食わせてもらっているのに許せない!』と、青筋立てて全国民が糾弾するというほどでもなく、『議員が路チューはマズいだろう(ニヤニヤ)』という感じで、今に比べれば国民の目ももう少しぬるかった気がするな」
友人A「そこなんですよ! 先輩、ポイントは!」
彼はまるでゼミの学生を問いただすような調子で語り始めた。
友人A「酒井順子さん(『負け犬の遠吠え』で有名なエッセイスト)が週刊誌に書いていました。昨今の不倫報道は『いじめ』に似ていると。安心して攻撃できるターゲットが見つかると、いじめっ子だけでなく、周囲も加担して、よってたかっていじめ立てる。いじめる側は常に安全地帯に身を置いて、心ゆくまで安心して攻撃を続ける。あたかもそれは正義にかなった行いであるかのように。とまあこれは私の解釈ですが。要するに、我々は今、『不寛容の時代』を生きている!」

記者会見で不倫を謝罪する姿も見飽きた感がある PIXTA
居酒屋での与太話が、酒井さんの「引用?」でなかなかな説得力を持ち始めた。