家電量販店と呼ばないで 事業モデル、転換続ける
ノジマの野島広司社長
「買収前から携帯販売をやってましたが、複数の携帯電話会社の製品を扱う併売店の中では、接客も含めて一番質が高いのはノジマだと思っていました。スマホ販売は非常に複雑で、大手3キャリアを比較できなければいけない。ある程度の知識と勉強意欲がないとダメなんです。当社の人材をITXに送り込んで、すぐ店長に昇格するのをみて、当社のレベルの高さを再確認しました」
「それでも(ITXが手掛ける)キャリアショップのほうが携帯電話会社と一緒にできることが多い点は魅力。(買収額が)高くて大変でしたが、選択は間違っていなかったと思っています」
コンサルティング重視、創業当初から
――スマホは0円販売が禁止され、家電同様、価格競争ができなくなりました。
「価格で勝負できなくなると、接客とアフターサービスになるわけです。家電の場合は設置や工事とかも。うちはもともと量販といわれるのが、嫌でした。『質販店』というのがオーディオ専門店だった創業当初からの考えです。オーディオというのはコンサルビジネスです。お客さんの好みの音に、フィットする商品を提案する。ヘルパーを入れると、フィットコンサルになりません」

ニフティ買収後、格安スマートフォンなどを展開する新業態の「ニフティモバイル」を開いた
――今後はスマホも成長が難しくなるはずで、ニフティ買収はその先を狙ったものですか。
「今後はあらゆるものがネットにつながる『IoT』、人工知能(AI)、ロボットの時代です。モノや通信などを組み合わせて、新しいビジネスモデルをつくろうと考えています」
「ただ、ニフティを買収してわかったのは、右肩上がりで伸びていった会社というのは、終わったときに修正がきかないことですね。6~7年前に売上高、利益ともピークでその後、売り上げが落ちているのに販管費だけは横ばい。次のビジネスモデルへの変更が進んでいないんです。当社はこれまでに事業モデルの転換を繰り返してきました。オーディオ、ビデオ、パソコン、携帯電話と。今は売り上げ構成比で携帯販売は家電販売を上回っています」