勝手気ままに働く貴兄、それでも出世するコツ教えます
第34回 資源を効果的に活用する「7S」
そして何よりも企業の文化(Style)、すなわち思考や行動のパターンを変えることが大切です。最終的に目指すのは、常に自分達の働き方を見直し自律的に改善していく組織風土です。それは、他の6つの活動を実践する中で培われていきます。
ハードとソフトを有機的に結びつける
最初の3つ(戦略、組織構造、システム)はハードな経営資源であり、比較的短い時間に変えられます。難しいのは、後の4つ(価値観、能力、人材、文化)のソフトな経営資源のほうです。相当な時間とエネルギーをかけないと変化しません。
しかも、これらは有機的に結びつけていかないと、期待する効果が得られません。
たとえば、休暇取得を促進する制度をつくっても、「忙しいことはよいことだ」という価値観や文化が変わらないと、休みなんて取れません。組織や個人の能力が向上しないと、休んでいる人の穴を埋めることができません。
言い方を換えると、7つの要素をバランスよく高度に組み合わせることが、働き方改革を推進する人に求められるわけです。それこそがまさに改革の妙。企業が本来持っている7Sが違う以上、各社各様に考えるしかありません。
今では、働き方改革で成功している企業があちこちで紹介されています。しかしながら、成功した取り組みが、どんな固有の7Sの上に乗っかっているのか、ほとんど述べられていません。
そのまま全く違う7Sの上に乗っけても、うまくいくはずがありません。それぞれの会社や職場で「俺たち」の働き方改革を考えるしかないのです。
