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――防犯カメラは今後、どう発展していきますか。

一部のカメラはAI、ロボット、ビッグデータとさらに融合し、カメラ同士がつながるネットワーク化も進むでしょう。警察はテロ対策への活用を期待しています。例えば「ソフトターゲット」と呼ばれる不特定多数の人が集まるイベント会場などで、カメラで群衆の中から不審者を割り出すことができれば警備上の効果はあります。

一方、「防犯」に使えるカメラは「監視」にも使えます。中国では1億7千万台以上あるカメラのうち2千万台以上を結び、「天網」と呼ばれる監視システムを構築しているといいます。14億人の身分証などのデータと組み合わせて、国民の行動を見ている――。そう考えると、恐ろしい気持ちになります。

――日本でもプライバシーの保護が心配ですね。

自治体や警察が管理するカメラなど運用の基準が明示されているものもありますが、統一的な規定はありません。目的外使用を禁止し、プライバシー保護の決まりを設けるといったルールの整備が欠かせないと思います。

技術の進歩で便利になれば、悪用された場合のマイナス面も大きくなります。安全を守るはずのカメラが、ぎすぎすした社会を生んでは元も子もありません。十分な議論が必要です。

ちょっとウンチク

安全、カメラ頼みではなく

2017年中に警察が把握した犯罪の発生件数は、戦後もっとも少ない約92万件。ピークだった02年の約285万件から7割近くも減った。特にひったくりなど路上で起きる街頭犯罪が大きく減少しており、この間に各地で設置が進んだ防犯カメラにも一定の効果があったと考えられる。

だからといってカメラをどんどん増やせばいいというものではないし、「捕まってもかまわない」「かっとなって、つい」といった類いの犯罪はカメラでは防げない。まずは自分が住む地域に関心を持ち、声をかけ合うといったことから「安全」は始まるのだと思う。

(編集委員 坂口祐一)

今回のニッキィ


斎藤 かな子さん 会社員。演奏者の力強いバチさばきに魅せられ、4年前に和太鼓を習い始めた。目下「秩父屋台囃子(ばやし)」を練習中。「太鼓をたたくと、気持ちが弾んで元気が湧いてきます」
坂東橋 なおさん 腕のケガが治り、1年ぶりにテニスの大会に復帰。毎年恒例のテニス仲間との忘年会を企画している。「今年は情熱的なフラメンコショーを楽しめるレストランに決めました」
[日本経済新聞夕刊 2018年11月5日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜更新です。

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