できたてに「遊び心」の味 地域密着で名産バーガー
モスフードサービスの中村栄輔社長
――モスの商品提供が遅いのはそういう理由なんですね。
「遅く見えるのかな。すごく速いとクレームになるんですね。ランチタイムなど、立地や時間によって、少しでも速く提供するような努力をしています。ネット注文を強化するのはそのためです。1月の利用率は2.5%で、年度末までに3%に高めていきたい」
――商品戦略ではどんな特徴を。
「昨年7月はバンズを全粒粉に変えました。5年前はパティを変えました。数年ごとに定番を磨くことはしています」
――どの業種でも定番は時代に合わせて微妙に変えます。20年前と味は全然違うのでしょうね。
「おっしゃる通りです。創業時のハンバーガーを食べたいという声があったので、06年に東京・汐留に当時の店舗を復活させた。店づくりも創業当時の雰囲気で。レシピも再現したらすっごく売れたんですよ。ですが、さっと引いていきました。昔は味が濃かったり、油っぽかったり。今の味覚に少しずつ変わっているんですね」
――地域対応にも熱心ですね。

健康ブームを追い風に、レタスで挟むハンバーガー「モスの菜摘」などが好調
「地元の名産品を使ったハンバーガーを作ろうと加盟店やパート社員からアイデアを募り、最終的に4件採用しました。『名古屋海老フライバーガー レモンタルタル』は名古屋城のしゃちほこのように海老を2尾入れてとても評判でした」
「ほかには『北見しょうゆタレとんかつバーガー』『秩父わらじカツバーガー』『長崎トルコライス風バーガー』。当社のフランチャイズチェーン(FC)システムは加盟店と本部が仲が良い。それが地域密着キャンペーンにつながってます」
――糖質制限ブームの中、バンズを使わないバーガーもありますよね。
「昨年6月から『にくにくにくバーガー』を売っています。もともとはボツ商品でしたが。今は毎月29日だけ売っているんです。ほかにはレタスで巻くバーガー『モスの菜摘』があります」