SNS消費どう生まれる? 個人の体験に共感集まる

「SNS消費」が盛り上がる半面、「SNS疲れ」も指摘されている 写真はイメージ
インスタグラムやツイッターなど交流サイト(SNS)が消費に影響していると聞くわ。「SNS消費」はどうやって生まれるの? 広告とは違うのかな?
SNS消費について、篠崎祐穂さん(32)と鈴木正美さん(54)が大岩佐和子編集委員に話を聞いた。
――「SNSで話題」と聞きますが、本当に消費につながっていますか?
SNSが消費をどのくらい押し上げているか、統計では残念ながら把握できません。総務省が経済効果を推計したことがありますが、LINEが登場する前の2009年。今とは状況が違います。
ただ、調査会社マクロミルの18年夏の調査では「買い物時にSNSの情報に影響を受ける」と答えた人が15~24歳は6割強、25~38歳は5割いました。39~53歳も4人に1人が影響を受けています。
買い物時に最も強く影響を受けているSNSでは、インスタグラムがどの年代にも比較的浸透しています。「インスタ映え」に関する主な新聞の報道件数は、16年はわずか15件でしたが18年は約4400件。目を引く画像や動画は文字情報よりも入手した場面の空想が膨らみます。
化粧品では最近、口紅などで限定商品が目立ちます。口コミサイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルは、SNSと関係があるとみています。消費者が店頭で「残りが少ない」などと拡散すると「いま手に入れないと買えない」と焦りが生まれ、欲しくなる心理が働くのでしょう。
――SNS発のヒット商品もあるのでしょうか?
マツモトキヨシが17年末に売り出したプライベートブランドのエナジードリンク、通称エナドリ。18年2月、エナドリ愛好者が集まる私大サークルが「これはヤバイ」とツイッターでつぶやきました。翌日から6日間の1日あたりの売り上げは、それまでの平均の約10倍になりました。
動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は投稿が簡単で反応が得やすく若者の支持を集めています。ワコールの下着「ノンピーケー」は宣伝用動画をまねる投稿が広がり、18年春夏用の売上枚数が計画比3%増に。サントリー食品インターナショナルの「ペプシJコーラ」の動画はシリーズ累計で約1800万回、再生されました。