「人生ゲーム」まだ中盤 おもちゃ開発、いつも緊張
タカラトミーの富山幹太郎会長

タカラトミーの富山幹太郎会長
リカちゃんやプラレールなど今なお人気の玩具を抱えるタカラトミー。デジタル化の逆風の中、近年も「うまれて!ウーモ」などヒット商品を生み出し、2018年3月期は営業最高益と好調だ。富山幹太郎会長は「ウチは(スペインの大聖堂)サグラダ・ファミリアと同じ。未完成です」と宣言。人生ゲームで言えばまだ中盤、常に壮年期の意気込みでおもちゃ作りに挑んでいる。
「ウーモ」ヒット びっくりした
――これは売れるっていう予感はあるんでしょうか。
「それは難しくて僕も打率は低いですね。僕はウーモは売れないよって言っていたんです。卵を中からくちばしでつついてぽこっと生まれてくる驚きを短いテレビCMで伝えられるか非常に難しいと思って。価格も安くはなかったですし。50万個以上売れて、びっくりしましたね。ヒットした背景はSNS。やっぱりSNS抜きには最近のヒット商品を語れません」
――ヒットの法則はあるんですかね。
「『売れる商品には家系図がある』と考えて、30年近く前に外部のコンサルタントも入れて試したことがあるんです。過去のヒット商品の要素と今のはやりを組み合わせてとか。でも結局は子どもたちに受け入れられるかは分かりません」
「子どもの目は厳しいです。面白くないと思ったら見向きもしません。期待を超える『あ!すごい』と思わせるものを考えていますが、出して初めて白黒が付く。チャレンジする相手だなと思いながら、ハラハラドキドキを楽しんでいます」
――今の子どもはスマートフォンで遊びます。
「子どもたちがタブレットで遊んでいるのを見ると薄気味悪くてねえ。もっと立体物で遊んでよと言いたくなります。私たちはものづくりを忘れないで、時代に合わせてどう一緒にいきていけるかだと思います」