QR決済、なぜ増える? ネット企業や金融機関が注目

QRコード決済で支払いできる店舗が急速に増えつつある
「XXペイ」という文字を見かけない日はないわね。スマートフォン(スマホ)を使う決済のようだけど、どこがどう違うのかしら。
QRコードを使う決済の現状と行方について、河野美香さん(54)と高倉朝子さん(53)が奥平和行編集委員に聞いた。
――サービスが増えているのはなぜですか。
キャッシュレス決済というとクレジットカード、駅で使う「スイカ」のようなICカードが中心でしたが、ここに加わった新顔がバーコードの一種であるQRコードを活用したスマホ決済です。
この新しい決済手段にはインターネット企業や通信会社、そして金融機関も注目しています。各社が消費者や小売店の取り込みに向けて「100億円還元」などの大規模な残高・ポイント還元や手数料の無償化といった派手なキャンペーンを相次いで実施し、注目が高まりました。
――これまでとどう違うのでしょうか。
QRコード決済には主に2つの方式があります。ひとつは店頭にQRコードを掲示してそれを利用者のスマホで読み取る「MPM」、もうひとつは利用者のスマホに表示したQRコードを店頭の端末で読み込む「CPM」です。MPMは極端にいえば店はQRコードを印刷した紙だけを用意すればよく、導入のコストが低いのが特徴です。
従来のクレジットカードなどは決済端末の導入や維持のコストがかさみ、それが利用できる店舗の拡大を阻む一因とされてきました。QRコード決済はこの問題の解決策として注目を浴び、2025年にキャッシュレス比率を40%に引き上げることを目指す政府も後押ししています。
この技術でキャッシュレス化を一気に進めたのが中国です。クレジットカードが普及していなかったこともQRコード決済が広がる要因となり、小規模な小売店や露店、路上で演奏するミュージシャンの「投げ銭」さえもQRコード決済で払うのが日常の光景になりました。