単位が足りず、教師は断念 大学授業料は自分で稼いだ
バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(3)
子供好きになったきっかけは、夏のキャンプバイト
一時はキックボクシングにはまりました。スナックのマスターに誘われたのがきっかけです。数カ月続けましたが、ローキックがあまりにも痛いのでやめました。
大学3年生の時、10人ほどの小学生をサマーキャンプに引率するバイトを始めます。食事の作り方などの面倒を見ました。最初は言うことは聞かないし、騒がしくてどうしようかと思いました。ところが1泊2日一緒に過ごすとかわいく思えてきます。このバイトをきっかけに子供好きになりました。このバイトを2年ほど続けました。
単位が足りなかった教育実習
4年生になると就職を意識します。父親の職業が不安定だったので、ボーナスがもらえる安定した仕事に就きたいという思いがありました。大阪の母校に教育実習に行きましたが、夏ごろに単位が足りないことがわかりました。
教師はあきらめ、焦った私は求人情報を片っ端から読み始めました。すると「遊びをクリエイトする」という言葉が目に留まりました。ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)のキャッチフレーズです。小学校の頃、ピンボールで遊んだことを思い出し「遊びが仕事になるのはいいな」と思い、すぐにナムコに電話をかけました。
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石川祝男
いしかわ・しゅくお 1978年関西大文卒、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)入社。2006年バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)社長に就任。09年バンダイナムコホールディングス社長、15年会長、18年6月顧問、19年6月退任。山口県出身。
いしかわ・しゅくお 1978年関西大文卒、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)入社。2006年バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)社長に就任。09年バンダイナムコホールディングス社長、15年会長、18年6月顧問、19年6月退任。山口県出身。
[日経産業新聞 2018年10月5日付]
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