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他社を追い越そうとするDNA

開発の中心は、後にバンダイナムコスタジオの社長となる中谷始さんでした。家庭用ゲームの技術をアーケードゲーム機にも生かそうと試行錯誤して3D(3次元)の技術を採用。ハード機の開発で培った3Dを優秀なプログラマーがゲームにも生かしてくれました。簡単な操作性とゲームの設定を意識し、キャラクターを際立たせました。

ナムコはロボット開発ではとんでもないものを作る先見性がありますが、ゲームでは後発組となることが多かったです。クレーンゲーム機やプリントシール機、ドライブゲームもそうです。同じジャンルのゲームを後追いするからには既存の作品を超えようとします。今もこのDNAは受け継がれています。

例えば「子育てクイズ マイエンジェル」は普通のクイズゲームではありません。クイズに正解すると赤ちゃんが成長します。逆に不正解だったり答えられなかったりすると不良に育ちます。クイズと子育てを組み合わせた斬新なアイデアで人気となりました。

役員に昇進しても、社内をプラプラ

40歳だった1995年に取締役に、99年に常務に昇進しました。業務用だけでなくゲーム開発全体を管理する立場になりました。

常務になっても、できるだけ社内を「プラプラする」ことを心がけました。暇だからではありません。社員とのちょっとした雑談から製品のアイデアを拾い上げたり、気づきをもたらしたりするかもしれないからです。実際、大ヒットゲーム「太鼓の達人」も、そんな中で生まれました。

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石川祝男
いしかわ・しゅくお 1978年関西大文卒、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)入社。2006年バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)社長に就任。09年バンダイナムコホールディングス社長、15年会長、18年6月顧問、19年6月退任。山口県出身。
[日経産業新聞 2018年10月17日付]

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