チーフ・ガンダム・オフィサーも誕生 元気な暴走奨励
バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(14)
社内の雰囲気を明るくするために尽力
苦しい時こそ前向きな話を心がけました。過去の成功事例を「ヒット!ヒット!ヒット!」と題したスライドにまとめ、事あるごとに社員に話します。成功を視覚に訴え、ヒットを出す喜びを浸透させました。失敗の分析など厳しい話もしますが、成功体験を土台に大きな成功を築こうとしました。1年かけて徐々に雰囲気が明るくなったように思います。
会議のための良い資料や業務改善のアイデアなど、私が個人的に感銘を受けた社員にその場で祝儀袋に入れた1万円を手渡す「ミニ社長賞」も設けました。少しでも現場が元気になればいいなと思って始めたものでした。実は当時、私はお小遣い制でした。結婚した当初からキャッシュカードは取り上げられ、月の小遣いは10万円。その中から「ミニ社長賞」を贈ったのです。
会社を活性化させる唯一の特効薬はヒット商品を作り続けること。要はアイデア勝負の世界です。社員を信頼し存分に仕事をしてもらえば結果はおのずとついてくるものです。実際、13年3月期には営業損益段階で最高益を更新しました。
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[日経産業新聞 2018年10月24日付]
※「仕事人秘録セレクション」は金曜更新です。