野望はゲームで「世界制覇」 常に新しい切り口を追求
コーエーテクモホールディングスの襟川陽一社長
――クリエーターとして心がけていることは?
「一ゲーマーとして同じ面白さを2回3回とはやりたくないんですよね。新しい面白さづくりをしていくのがクリエーターとして一番やらなくちゃいけないことです」
長いと250時間 他社商品試す
――今もゲーマーなんですか。
「朝5時くらいに目が覚めて3時間くらいゲームやってます。帰宅して午後8時から11時までもゲーム。仕事の間もほどんどゲームしてます」

歴史やアクション、恋愛と多彩な作品が並ぶ。新作「三國志14」は原点回帰ぶりがファンから好評
「他社のゲームはベスト5に入るものは大体プレーしてます。なぜ高い評価なのか、自分で体感したい方なんで。気に入ると最後までやるんですが、長いと250時間くらいまでやったことあります。『ペルソナ』にはまっちゃうんですよ。途中でやめようかと思うんですけどやめられなくなっちゃって(笑)」
――他社のゲームを参考にすることも?
「いろいろ経験することで頭の中の引き出しが増えます。社内の企画が上がってきても『なんかこれ似てるんじゃない』とわかるんです。本人は新しいと思っても『これ同じような感覚だよ、もっと新しさ出さないと』みたいになります」
――開発する側からすると社長は難関ですね。
「たくさん失敗したり成功したりしてきましたからね。お客様に買っていただけるのはゲームのプロだからです。たまたま作ったのがヒットしちゃったというクラブ活動とは違う。ゲームのプロとして自覚を持たないといけない。役員や社員にいつも言っています」
――経営者兼クリエーターだと、やりたいことが矛盾しないのですか。
「収益基盤をきちんと作って、それで好きなことを一生懸命やろうというのが会社の経営だと思うんです。プロジェクトの中で収益構造をきっちりと組み立てて予測して、間違いなくいけるだろうとなって初めてスタートしています」
――次世代通信規格の5Gなどの新技術でゲームはどう変わりますか。
「大容量で低遅延の5Gの特長を生かして(複数対戦のできる)マルチプレーが増えるでしょうし、スマホでのアクションゲームが普及していく感じがしますね。その第1弾で5Gをターゲットにしたアクションゲームを開発しています」
「GPS(全地球測位システム)とAR(拡張現実)を使ったドラゴンクエストウォークやポケモンGOは全世界のトレンドですし、伸びると思います。まだ発表できませんがうちもやっていきたいと思います。それと今注目しているのがAI(人工知能)です」