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吉岡さん「海外との違いは確かにありそうですね」

海外で夫婦別姓を認めない国は日本以外に見当たりません。国によっては同姓、別姓、ミドルネームのように夫婦の姓を結合して使う「結合姓」、新しく姓を作ってもいい国だってあります。

日本の場合、96%が婚姻の際に夫姓を選んでいることは問題だとして国連はこれまで3回、是正勧告しています。現在は男女とも婚姻前にキャリアや信用、人脈、資産を積んでいます。改姓に伴う負担、コスト、手間は大きすぎるのではないでしょうか。

今村さん「若い世代、子どもたちがどうなるのか気になります」

少子化で一人っ子の多い時代、婚姻によって実家の名前は次々と消滅していきます。家族や先祖を大切に思い、実家の姓を守りたい一人っ子同士が結婚できないという問題は特に地方で深刻です。別姓を通すため、事実婚を選ぶカップルも少なくないのです。

30歳未満の若者でつくるプロジェクト「#男女共同参画ってなんですか」は20年、第5次男女共同参画基本計画策定に向けて若者の意見1000件以上をとりまとめました。最も多かったのが「選択的夫婦別姓の早期導入」です。「現行制度ではお互いの姓のままでいたい人が結婚できない」と主張しています。

選択的夫婦別姓は文字通り"選択"ですから、夫婦同姓を望む人は何も変わりません。ただ別姓を望む人も多いので、選べるようにできないかというのが今の議論です。国会は国民の声を聞き、検討を進めてほしいですね。

ちょっとウンチク

最高裁、女性裁判官は2人

最高裁の大法廷は15人の裁判官で審理する。今回の判決では4人が違憲とするなど意見が割れた。15人中に女性はわずか2人。2015年の時も3人だった。裁判官の多様性がもっと進んでいれば、判決は違ったかもしれないという指摘もある。

裁判官は内閣や天皇が任命するが私たち国民も裁判官がその職責にふさわしいか否かを審査することができる。衆院議員選挙と同日で実施される国民審査がそれ。選挙は数カ月内にある。

裁判官の定年は70歳。後任として選ばれる裁判官に女性が増えていくのかも注目だ。(編集委員 中村奈都子)

今回のニッキィ


今村佳世さん 医療機関の事務職。新型コロナウイルス感染拡大で一時やめていたジム通いを再開。運動不足の解消と、落ちている体力の回復のために「また格闘技系エクササイズに力を入れたいです」
吉岡由佳さん PR会社の営業職。おうち時間が増えてコケを瓶で栽培するテラリウムを始めた。またハーブを蒸留していい香りのハーブウオーターをつくるなど「生活に自然を取り入れることに夢中」。
[日本経済新聞夕刊 2021年7月19日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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